こんにちは!岡山の「自然食品 さしすせそ」です!
今日は、岡山市東区瀬戸町にある醤油蔵「山近醤油醸造場」と、そこで造られている丸大豆醤油「鐵次郎(てつじろう/鉄次郎と書かれることもあります)」をご紹介します。
じつは、さしすせそというお店が生まれたきっかけは、この一本のお醤油でした。長くお付き合いしてきたお店として、この蔵のことを一か所にまとめておきます。

- 山近醤油醸造場がどんな蔵か(場所・歴史・基本情報)
- 鐵次郎がどのように造られているか
- 木桶で2年かける醤油と、数か月でつくる一般的な醤油の違い
- 鐵次郎の味わいと、買える場所
山近醤油醸造場とは|明治12年創業、岡山・瀬戸町の醤油蔵
山近醤油醸造場は、岡山市東区瀬戸町大井にある醤油蔵です。明治12年(1879年)、初代の山近鐵次郎さんが醤油造りを始めました。
戦後、醤油業界では機械化が進み、自分の蔵で一から仕込む醤油屋さんはほとんどなくなりました。山近醤油醸造場でも一度は仕込みが途絶えましたが、平成に入ってから、4代目の山近延行さんが木桶での醤油造りを復活させました。そのお醤油に初代の名前をつけたのが「鐵次郎」です。
| 蔵の名前 | 山近醤油醸造場(やまちかしょうゆじょうぞうじょう) |
| 所在地 | 岡山県岡山市東区瀬戸町大井200 |
| 創業 | 明治12年(1879年) |
| 電話 | 086-953-0625 |
| 蔵での直売 | あり 9:00〜18:00(日曜定休) |
| 最寄り駅 | JR赤穂線 万富駅から車で約3分 |
| 主な商品 | 丸大豆醤油「鐵次郎」 |

鐵次郎ができるまで
鐵次郎は、昔ながらの手間のかかる方法で造られています。
原材料は、大豆・小麦・塩だけ
鐵次郎のラベルの原材料名には、「大豆(岡山県)」「小麦(岡山県、広島県)」「食塩」の3つしか書かれていません。大豆は契約農家さんが育てた岡山県産の丸大豆、塩は天日塩です。うま味を足す調味料も、色をつける着色料も、日持ちさせるためのアルコールも使っていません。
醤油は本来、この3つと時間だけでできるものです。それ以外のものを足さずに済むのは、時間をかけて造っているからです。
いちばんのこだわり、麹蓋(こうじぶた)での麹づくり
山近醤油醸造場がもっともこだわっているのが、麹蓋を使った麹づくりです。
蒸した大豆と炒った小麦に種麹をつけ、「麹蓋」というお盆のような木の箱に少しずつ広げて、麹室(こうじむろ)で4日ほどかけて麹を育てます。麹は育つにつれて自分で熱を出すため、温度を見ながら麹蓋の積み方を変え、手で混ぜて整える作業をくり返します。機械に任せることはできません。
仕込みの時期には、ご家族が交代で24時間、麹の様子を見守ります。夜も目を離せない仕事です。よい麹を育てるために体調を崩さないよう、ふだんの暮らしから整えて、醤油造りに打ち込まれています。
醤油の麹づくりは今ではほとんどが機械で行われ、麹蓋で麹を育てる醤油蔵は、全国でも数えるほどしか残っていないそうです。
それでも麹蓋にこだわるのはなぜか。これは店主の私見ですが、延行さんは毎年、ご自身が理想とする醤油を目指して仕込みに向き合っています。伝統を守るだけでなく、そこから一歩ずつ進化させたい。その想いがあるからこそ、醤油の味の土台になる麹づくりから自分の手で取り組まれているのだと思います。
手仕事でしかつかめない感覚を大切に、よりよいものを追い求めた結果が、この麹蓋へのこだわりなのだと感じています。

木桶で、ふた夏以上ねかせる
できた麹を塩水と合わせて木桶に仕込み、「もろみ」をつくります。季節ごとにもろみの状態を見ながら櫂(かい)を入れ、ふた夏以上、約2年をかけて熟成させます。木桶に住みついた蔵の菌が、その蔵だけの味を育てていきます。

木桶で2年かける醤油と、数か月でつくる醤油の違い
スーパーに並ぶ醤油の多くは、「速醸(そくじょう)」という方法で造られています。もろみをタンクに入れて温度を機械で管理し、発酵を早めることで、数か月から半年ほどで醤油に仕上げる方法です。
鐵次郎は、季節の気温にまかせて木桶でゆっくり発酵させ、ふた夏以上、約2年をかけて熟成させます。同じ「醤油」でも、かける時間がまったく違います。
| 鐵次郎(木桶・天然醸造) | 一般的な醤油(速醸) | |
|---|---|---|
| 熟成の期間 | ふた夏以上(約2年) | 数か月〜半年ほど |
| 発酵のさせ方 | 季節の気温にまかせる | 機械で温度を管理して早める |
| 仕込む容器 | 木桶 | 金属やFRPのタンク |
| 麹づくり | 麹蓋を使い人の手で | 機械による製麹 |
| 原材料 | 大豆・小麦・塩のみ | 脱脂加工大豆を使うものや、アミノ酸液・甘味料・アルコールなどを加えるものもある |
時間をかけて熟成させた醤油は、うま味と塩分、自然に生まれるアルコール分が十分に高まるので、ほかのものを足さなくても品質が保たれます。反対に、短い期間で仕上げる醤油は、うま味や日持ちを補うために調味料やアルコールを加えることがあります。
醤油を選ぶときは、ボトルの裏の原材料名を見てみてください。「大豆・小麦・食塩」だけで終わっているかどうかが、ひとつの目安になります。
鐵次郎の味わいと使い方
木桶ならではのやわらかな口当たりと、長く続く香りが特徴です。塩の角がなく、うま味が後までやさしく残ります。
煮物や炒め物、和え物から、スープやソースなど洋風の料理まで、料理を選ばずに使える一本です。いつもの醤油と置きかえるだけで、ふだんの料理の味がひとつ深くなります。
店主のおすすめは、お刺身にそのまま使うことです。鐵次郎に出会ったころ、お刺身をつけて食べたら驚くほどおいしく、「刺身がうまいのか、鐵次郎がうまいのか」と妻と論争になりました。刺身醤油を別に用意しなくても、魚の味をしっかり引き立ててくれます。ぜひ一度、お刺身で試してみてください。
値段は高い?ひと月にすると数百円の違いです
鐵次郎の値段は、スーパーで売られている一般的な醤油の3倍ほどです。1本だけを比べると、高く感じられるかもしれません。
ただ、醤油は毎日少しずつ使うものです。ひと月にならすと、その差は数百円ほどになります。その数百円で、毎日の煮物も、お刺身も、卵かけごはんも、ひとつ上の味になります。
大豆と小麦と塩だけで、2年の時間と人の手をかけてできた醤油です。店主は、これを高いものだとはまったく思っていません。食卓をいちばん手軽に豊かにしてくれる一本だと考えています。
さしすせそが生まれたきっかけ
店主が鐵次郎に出会ったのは、妻が近くの自然食品店で買ってきた一本でした。
当時、店主は小売の仕事をしていましたが、自然食品にはまったく関心がなく、自分とは別の世界のものだと思っていました。ところが、このお醤油をひと口なめて「こんなに美味しい醤油があるのか」と驚きました。
調べてみると、スーパーに並ぶ多くの醤油とは、そもそも造り方が根本から違う。大豆と小麦と塩だけで、木桶で何年もかけて育てる「本物の醤油」が今もあることを初めて知りました。
そこから自然食品の世界に引き込まれ、自分が納得できるものを、納得できる形で売る商売をしたいと思うようになりました。その想いから独立して生まれたのが、自然食品 さしすせそです。
いまでも鐵次郎は、お店の原点として大切に扱っているお醤油です。

鐵次郎のラインナップ
| 商品 | 容量 |
|---|---|
| 鐵次郎 2合 | 360ml |
| 鐵次郎 4合 | 720ml |
| 鐵次郎 一升瓶 | 1.8L |
鐵次郎を買える場所
- 山近醤油醸造場(蔵の直売):9:00〜18:00、日曜定休
- 自然食品 さしすせそ(岡山・表町)
- さしすせそ オンラインショップ:鐵次郎720ml/鐵次郎360ml
- 岡山市のふるさと納税:返礼品として出品されています
よくある質問
Q. 鐵次郎はなんと読みますか?
A. 「てつじろう」です。山近醤油醸造場を創業した、初代・山近鐵次郎さんのお名前です。
Q. 「鉄次郎」と「鐵次郎」は同じ醤油ですか?
A. 同じ醤油です。正しい表記は旧字の「鐵次郎」ですが、「鉄次郎」と書かれることもあります。
Q. 山近醤油醸造場はどこにありますか?
A. 岡山県岡山市東区瀬戸町大井200です。JR赤穂線の万富駅から車で約3分です。
Q. 蔵で直接買えますか?
A. 蔵での直売があります。営業は9:00〜18:00、日曜定休です。
Q. 鐵次郎は天然醸造ですか?
A. はい。麹蓋で麹をつくり、木桶でふた夏以上かけて熟成させる天然醸造の丸大豆醤油です。
Q. 一般的な醤油とは何が違いますか?
A. 一般的な醤油の多くは、温度を機械で管理して数か月〜半年ほどで仕上げる速醸です。鐵次郎は木桶で約2年かけて熟成させ、原材料も大豆・小麦・塩だけです。
Q. 麹蓋(こうじぶた)製法とは何ですか?
A. 麹を機械ではなく、木製の麹蓋に小分けにして人の手で育てる方法です。仕込みの時期は24時間の見守りが必要で、今も続けている醤油蔵は全国でも数えるほどです。
Q. 添加物は入っていますか?
A. 入っていません。原材料は大豆(岡山県)、小麦(岡山県・広島県)、食塩だけです。
まとめ
山近醤油醸造場の「鐵次郎」は、原材料は大豆・小麦・塩だけ。麹蓋で麹を育て、木桶でふた夏以上かけて熟成させる、岡山の天然醸造醤油です。
当店(岡山・表町)の店頭のほか、当店のネットショップでもお求めいただけます。お刺身から毎日の料理まで、ぜひ一度味わってみてください。
醤油の選び方や、天然醸造と一般的な醤油の違いについては、こちらの記事でくわしく解説しています。

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