こんにちは、岡山の自然食品店さしすせそです!
今回は生理用品についてのお話です。
自然派(オーガニック)な製品を取り扱うお店では、一般的なプラスチックのナプキンではなくコットンなどの天然素材を使った自然派ナプキン(オーガニックナプキン)を推奨して販売しています。
これは脱プラスチックが環境に優しいからという理由だけではありません。
一般的な紙ナプキンから自然派ナプキンに切り換えたことで、「生理痛が軽減された」という声も聴きます。
もちろんナプキンだけが要因ではないですが、もし生理痛にお悩みのある方は検討してみる価値はあるのではないでしょうか。
自然派の生理用ナプキン(オーガニックナプキン)と一般的な生理用ナプキンとの違いについて解説していきます。
天然素材の自然派ナプキン(オーガニックナプキン)と一般的なナプキンの違い
一番の違いは表面材(トップシート)と吸収材の素材の違いです。
天然素材のナプキンは表面材にコットン、吸収材にコットンかパルプ(植物性繊維)を使用した天然素材の繊維できたもの、一般的なナプキンは石油が原材料になった化学繊維で作られたもの。
天然素材のナプキンには、繰り返し使える布製の布ナプキンと使い捨て用の紙ナプキンの2種類があります。
一般的なナプキンは経血の吸水性を高めるために、高分子吸収材(ポリマー)を使用しています。
ポリマーはプラスチックの一種。自重の50~100倍の経血を吸収し、ゼリー状にすることで表面に染み出ることがありません。
逆に自然派ナプキン(オーガニックナプキン)はポリマー不使用(ノンポリマー)のため、吸収率ではポリマー使用のナプキンに劣ります。
ただしポリマーには吸収率が高いメリットがある反面、ムレやすかったり、体を冷やしたりするデメリットが存在します。
ナプキンの構造から生理痛との関係性について解説していきます。
生理用ナプキンの構造
ナプキンの役割は、経血を止める、吸収して閉じ込める、外に漏らさないようにすることです。
一般的な生理用ナプキンは4つの構造で作られています。
- 表面材
- 吸収体
- 防漏材
- 固定材
表面材…1番上に来るパーツで肌に直接あたる部分。合成樹脂の場合、不織布タイプと開孔フィルムタイプの2種類がある。
吸収体…経血を吸収する中心部分。高分子吸収材(ポリマー)や綿状パルプ、吸収紙など。
防漏材…吸収した経血が下着に漏れたり、染み出たりするのを防ぐ部分。
固定材…生理用ナプキンが下着からズレるのを防ぐ接着面。両サイドのハネや粘着テープ。
生理用ナプキンの主な原材料
自然派ナプキンと一般的なナプキンの主な原材料について簡潔にお伝えします。
自然派ナプキンは表面材がコットンなどの天然の繊維100%で、吸収体には「コットンを重ねる」もしくは「パルプ」が使用されます。
一般的なナプキンは表面材はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどのプラスチック素材で、吸収体にはポリマーが使用されています。
ポリマーの原材料については製品ラベルに表記されていませんが、一般的にはポリアクリル酸ナトリウムが使用されています。石油由来のプロピレンから作られる化学物質です。
なぜ生理痛とナプキンが関係あるのか?
自然派ナプキンと一般的なナプキンの素材の違いはわかったのですが、なぜそれが生理痛と関係あるのでしょうか。
生理痛が起こる要因はストレスや食生活などいくつかありますが、ナプキンと関係があるのは主に2つです。
- デリケートゾーンから化学物質を吸収してしまう
- 冷え
そもそも生理痛とは何か?
それからナプキンとの関係性について、順番に解説していきます。
生理痛(月経痛)とは?
約1ヶ月に1度、子宮の内側にある子宮内膜は赤ちゃんを迎えるための準備をします。
受精卵が着床しやすくなるようふかふかのベッドのような状態になります。
妊娠とならない場合は、そのベッドを血液と一緒に体外に排出していきます。
これが生理です。
その時に「プロスタグランジン」というホルモンに似た物質が分泌されて、子宮を収縮させる働きがあります。
プロスタグランジンが過剰に分泌されると子宮の収縮が強くなり、陣痛のような下腹部や腰の痛みが発生します。
デリケートゾーンから化学物質する?
私たちの体は皮膚から化学物質を吸収してしまうことがあります。経皮吸収と言います。
一般的なナプキンのほとんどは石油由来の素材で、体にとっては「毒」となるものです。
さらにナプキンは医薬部外品のため漂白をしなくてはいけない規則があります。その際に塩素系の漂白剤が使用されています。
体内の毒や異物が多いほど、子宮の収縮活動が増えて痛みが増す傾向があります。
ナプキンが触れるデリケートゾーンは、他の部位と比べて経皮吸収が40倍以上も高いと言われています。
皮膚の薄いデリケートゾーンから吸収されたものは、消化器官を通らずにダイレクトに成分を取り込んでしまいます。
そのため体外へ排出されにくく、体内に蓄積してしまう恐れがあります。
なので一般的なナプキンを使用することで、生理痛がひどくなる原因の1つに言われています。
天然素材のナプキンはコットンやリネンなどの天然の繊維でできており、デリケートゾーンに触れる部分に化学物質を使用しておりません。
また漂白の際には塩素系ではなく酵素系の漂白剤を使用しており、こちらも体にとって安心できます。
そのため異物を吸収することもなく、デリケートゾーンや肌に触れても優しいのが特徴です。
冷え
生理中は子宮内膜が剥がれると同時に体温が下がります。
体が冷えて血行が悪くなることで、月経困難症やPMS(月経前症候群)の症状や重くなることがあります。
一般的なナプキンに使用される吸収体のポリマーには、実は体を冷やす作用があるんです。
ポリマーは「熱冷ましシート」にも使用させている素材と同じです。
経血を吸収した紙ナプキン自体が冷たくなり、体や子宮を冷やすことにつながります。
ただでさえ生理中は体が冷えるのに加えて、ナプキンでも体を冷やすことになります。
その点、コットンなどの天然繊維のナプキンはデリケートゾーンを冷やさないので、冷え性の改善にもつながります。
「デリケートゾーンからの化学物質を吸収しない」と「体を冷やさない(血行不良を防ぐ)」ということから生理痛が軽減されているのでは?と言われています。
個人差はありますが‥ナプキンを変えることで、生理痛が改善される可能性はあります。
ナプキンを変えることで、冷え性や血行不良が改善される可能性があります。血行が悪くなると卵巣・子宮に栄養が渡りにくく、女性ホルモンの分泌も悪くなります。それで生理不順や子宮内膜症といった不妊につながる症状の原因になる可能性があります。ナプキンが不妊治療に効果があるという科学的根拠はありませんが、冷えを防ぐことは体にとって優しい行いではないでしょうか。
自然派ナプキン(オーガニックナプキン)のメリット・デメリット
自然派ナプキン(オーガニック)のメリットとデメリットにはどんなものがあるのか?
自然派ナプキン(オーガニックナプキン)のメリット
自然派ナプキン…コットンなどの天然素材の繊維を使用したナプキンのメリットは…
- 通気性が良い
- 肌ざわりがふんわり
- 肌の摩擦が少ない
- ムレにくい
一般的なナプキンはビニール素材でぴったりと覆うため、漏れにくい反面、空気も通しにくくムレやすいです。
それがかゆみやかぶれの原因になっています。
自然派ナプキンはコットンやリネンなどの繊維でできているため、通気性が良いのが特徴です。
また肌への触れる部分もふんわりとしていて、着け心地が良く摩擦も少ないというメリットがあります。
なので自然派ナプキンは一般的なナプキンと比べて、ムレ・かゆみ・かぶれが緩和されます。
また天然素材なのと塩素系の漂白剤を使用していないため、肌だけでなく環境にも優しいです。
実は経血には匂いがないんです。紙ナプキンの吸収体(ポリマー)が吸った経血が蒸れて、雑菌が繁殖することで独特の匂いが強くなってしまう原因になっています。自然派ナプキンはポリマー不使用で、通気性も良くて蒸れが少ないため、雑菌の繁殖も少なく匂いが気になりにくいです。
自然派ナプキン(オーガニックナプキン)のデメリット
自然派ナプキンにもデメリットはあります。
- 吸収力がポリマーと比べて劣る
- コストが高くなる
- 外出時の荷物が大きくなる
一番のデメリットは高分子吸収体(ポリマー)を使用していないため、吸収力が劣る点です。
なので多い日や漏れないかの不安を感じることもあります。
使い捨てで使用する場合、1枚当たりのコスト面が一般的なナプキンよりも高くなってしまいます。
ポリマー不使用の自然派ナプキンは厚みがあるため、持ち運びするのにかさばる可能性があります。
これらのメリット・デメリットを踏まえた上でナプキンは選択したいですね。
自然派ナプキン(オーガニックナプキン)は布ナプキンと紙ナプキンはどちらがいいの?
自然派ナプキン(オーガニックナプキン)には、繰り返し使用できる布ナプキンと使い捨ての紙ナプキンの2種類があります。
どんな違いがあるのか?どちらが良いのか?を解説していきます。
ちなみに自然派ナプキンの布ナプキンも紙ナプキンも機能面は同じです。
肌に直接触れる表面材は、コットンやリネンなどの天然素材になっていて、不安な化学物質も使用されておりません。ふんわりとした肌障りの良さ。
どちらもポリマー不使用のため、吸収力は劣るものの通気性がありムレにくいです。
それでは一般的な紙ナプキンも加えて、比較してみます。
一般的な紙ナプキン | 自然派の布ナプキン | 自然派の紙ナプキン | |
表面材 | 化学物質 | 天然素材 | 天然素材 |
吸収体 | ポリマー | 布 | パルプ |
漂白剤 | 塩素系 | 酵素系 | 酵素系 |
通気性 | ✖ | 〇 | 〇 |
手入れ | なし | あり | なし |
荷物 | かさばらない | かさばる | かさばる |
コスト | 安い | 安い | 高い |
選ぶ上での大きな違いは‥
- 手入れがいる、いらない
- コストが高くなる、安くなる
- 荷物としてかさばる、かさばらない
この辺りですね。
手入れ
布ナプキンは洗濯して繰り返し使用するという、「手入れ」をしなくてはいけないです。
その点、使い捨ての紙ナプキンは手入れの必要がありません。
コスト
コスト面では一般的なナプキンと自然派の布ナプキンが優位で、自然派の紙ナプキンは高くなります。
価格は昼用や夜用、多い日用などで変わりますが…
一般的な紙ナプキン 1枚あたり約20円くらい
自然派の布ナプキン 1枚あたり約2,800円くらい
自然派の紙ナプキン 1枚あたり約36円くらい
※布ナプキンの価格は2,000円~3,500円くらい
1日5枚使用して、生理期間が7日とすると…
一般的な紙ナプキンは月に700円くらい。
1年で8,400円、2年で16,800円、3年で25,200円、4年で33,600円、5年で42,000円‥
自然派の布ナプキンだと10枚くらいあれば毎日使えるので、28,000円。
洗濯で生地も劣化しますので試用期間は3年くらいと言われています。なので紙ナプキンとほぼ同じくらいのコストと言えます。3年以上使えれば割安になっていきます。
一方、自然派の神ナプキンは月に1,260円くらい。
1年で15,120円、2年で30,240円、3年で45,360円、4年で60,480円、5年で75,600円‥
長い目で見ると布ナプキンはコスパが良いと言えます。
荷物として
外出時に持ち運ぶことを考えると布ナプキンは厚みがあるので、どうしもてかさばってしまいます。
また使用後は布ナプキンを持って帰ることになります。※ジッパー付きのビニールなどに、使用面を内側になるように畳んで仕舞います
その点、一般的な紙ナプキンは使い捨てなのと厚みも薄いので荷物としてかさばりにくいです。
自然派の紙ナプキンは一般的な紙ナプキンと比べて、厚みがあるのでかさばります。しかし使い捨てできるので持って帰らなくても良いメリットがあります。
一般的な紙ナプキン、自然派の布ナプキン、紙ナプキン、それぞれにメリット、デメリットがあります。
それらを踏まえた上で選択してください。
また普段は布ナプキン、長期の外出時は紙ナプキンといった使い分けも良いですね。
布ナプキンの手入れ方法
布ナプキンは使い捨てのナプキンと違い洗浄する手入れをする必要があります。
布ナプキンの手入れ方法について解説していきます。
水洗いをして大まかな汚れを落とします。表面の経血を落としておくと、後で汚れが落ちやすいです。汚れが多い時は石けんを使用して洗います。
※血液はお湯で凝固するので手洗いは必ず水(30℃以下)で行ってください
アルカリウォッシュなどを溶かした水かぬるま湯に布ナプキンを浸します。その際に優しく布ナプキンで揉み洗いをすると良いです。ごしごしすると生地が傷むので、経血を押し出すように。つけ置きの時間は半日くらいで、24時間以内には取り出すようにしてください。
※重曹や合成洗剤では血液は落ちません
※シミが気になる場合は、酵素系漂白剤を使用してください
※リネンは汚れが落ちやすいので3時間程度で汚れが落ちます
つけ置きが終わったら手洗いか洗濯機ですすぎをしてください。洗濯ネットに入れると布ナプキンの傷みを防ぎます。
乾燥はなるべく天日干しがおすすめです。乾燥機にかけると生地が傷む可能性があります。日干しは殺菌効果もあります。
※生乾きは匂いや雑菌の繁殖に繋がります。
すぐに洗った方が汚れが落ちやすいです。なのですぐに洗えない時は、アルカリ溶液をスプレーしておくと洗濯が楽になります。
アルカリ溶液の作り方
- 水 500ml
- アルカリウォッシュ 小さじ1(5g)
- スプレー容器
スプレー容器に水とアルカリウォッシュを入れて溶かすだけです。水道水で大丈夫です。
※アルカリ溶液は布ナプキンだけでなく、ガスコンロやレンジの油汚れにも使用できます!
【おすすめ】自然派ナプキン(オーガニックナプキン)
自然食品さしすせそでは、生理用品メーカーのナチュラムーンさんの製品をおすすめしております。
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まとめ
自然派ナプキン(オーガニックナプキン)についての解説をしました。
化学物質の体への影響は気になりますよね。
また生理痛のお悩みはありませんか?もしかするとナプキンを変えることで痛みが軽減されるかも知れません。
まだ自然派ナプキンを使用されたことがない方は、ぜひ1度試してみてはいかがでしょうか。
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