こんにちは!岡山の自然食品店さしすせそです。
今日はお醤油の話をしていきます。
無添加の醤油を使いたい!
普通の醤油と何が違うの?
どうやって選んだらいいの?
見分け方が知りたい!
そんなお悩みを解決します!
自然食品店・オーガニックスーパーで扱うお醤油は、一般的なお醤油とはやはり違います。
お醤油は日本人にとっては欠かせない調味料の1つ。
使用する機会も多いので、できる限り安心・安全なお醤油を使っていただきたいです。
- 自然食品の無添加醤油と一般的な醤油の違い
- 醤油の見分け方
- おすすめの醤油
【無添加醤油】自然食品店の醤油と一般的な醤油の違い!
自然食品店で売られている無添加のお醤油と一般的なお醤油は何が違うのでしょうか?
簡単にまとめると次のような違いがあります。
- 原材料がシンプル
- 添加物が入っていない
- 完成までに1年~3年かかる
- 原材料にいろんなものが入ってる
- 添加物が入っている
- 3カ月~半年で完成する
順番に詳しく解説していきますね!
醤油の原材料がシンプル
お醤油に必要な原材料は何か?
お醤油に必要な原材料は“大豆”、”塩”、”小麦”の3つ
たったこの3つだけで醤油は作られています。しかも添加物がなくても造れるんです!
自然食品店の無添加のお醤油は、この3つ原材料のみで造られています。
一般的な醤油には大豆、塩、小麦の3つ以外にも‥
砂糖、水あめ、人工甘味料、アミノ酸液、カラメル色素、アルコール、調味料(アミノ酸等)など
このようにいろいろと入っています。
甘みや旨みを出すために砂糖や水あめ、人工甘味料、アミノ酸液が使用されているものがあります。
安い醤油で色味が薄いものは、カラメル色素で黒っぽく着色。
また保存期間を延ばすためにアルコールやその他、保存料が添加。
このように自然食品店のお醤油は原材料がシンプルで、一般的なお醤油は複雑に原材料が入っていることが多いですね。
特に避けたいのは人工甘味料、カラメル色素ですね。
醤油の原材料の違い
ちなみに醤油の原料である大豆、塩、小麦に関しても注意点が必要です。
大豆の違いと注意点
まず大豆は丸大豆と脱脂加工大豆の2種類に分かれます。
丸大豆は大豆そのまま。
脱脂加工大豆は大豆から油を取り除いた搾りかす。
自然食品店の醤油は丸大豆、一般的なお醤油は脱脂加工大豆を使用しているのが多いですね。
大豆には20%油分が含まれています。脱脂加工大豆は、丸大豆から油分(大豆油)を搾り出したもの。大豆油はサラダ油の原料の1つでもあります。
丸大豆を使用した醤油は、コクがあってまろやか。
脱脂加工大豆を使用した醤油は、香りとキレ、旨みが強いのが特徴。
脱脂加工大豆はコストが安く、製造工程で分解効率がよいのが最大のメリットです。丸大豆の場合、製造過程で油分は基本的に廃棄されています。その反面、脱脂加工大豆は油分も大豆油として有効活用できるのも良い点ですね。味も脱脂加工大豆だから劣るということはありません。
油を抽出する際に、ヘキサンと言う石油由来の溶剤が使用されています。ヘキサン自体は人体に有害なので、脱脂加工大豆を使用するのは危険だという風潮があります。しかし製造工程の中でヘキサンは、蒸発して消えるので問題ないとされています。
※溶剤を使用する理由は、より多くの油を搾り出すため
大豆で注意する点は、「遺伝子組み換え」大豆が原材料として使用されているかどうか。
国産の大豆に関しては、遺伝子組み換えの心配はありません。
輸入大豆は遺伝子組み換え大豆が混入している可能性があります。
見分け方は原材料名の中の大豆の表記の所を見ます。
- 分別生産流通管理済み
- 遺伝子組み換えでない
- 遺伝子組み換え
この2種類が記載されています。
分別生産流通管理済みは、2023年4月1日から施行されました。
遺伝子組み換え大豆とは分別して管理しているが、意図しない混入が5%以下に抑えていれば「分別流通管理済み」と表示します。※基本的には遺伝子組み換えは入っていない
ちなみに2023年3月31日以前は「遺伝子組み換えでない」表記でも5%以下の混入の可能性がありました。
完全に遺伝子組み換えの混入がない場合、「遺伝子組み換えでない」の表示ができます。
遺伝子組み換え大豆が5%以上の混入がある場合、「遺伝子組み換え」と表記しなければいけません。
国産大豆を使用している方が安心感は高いですね!かと言って輸入大豆が絶対に危険という訳ではないですよ~
塩の違いと注意点
醤油造りに使用されるお塩も種類があります。
- 精製塩
- 自然に近い塩
- 再製加工塩
主にこの3種類が使用されていて、それぞれ特徴が・・
海水を電気分解してろ過、塩化ナトリウム99%に精製した塩。一般的に食塩と言えば精製塩のことです。大量生産に適しているため、非常に安価に作れる。
天日塩や平釜炊きの塩がこれにあたります。海水に含まれる塩化ナトリウム以外のミネラル分も含まれた塩。塩辛いだけでなく旨みやほんのり甘味を感じます。手作業で生産されることが多く、希少価値も高くコストも高い。
海外の天日塩に日本の海水やにがりを混ぜて、ミネラル分を補った塩。自然に近い塩と比べると安価。※海外の天日塩は日本と製造方法が違い、ほぼ塩化ナトリウムのものが多い。
一般的なお醤油は精製塩が使用されています。
自然食品店のお醤油は、天日塩(平釜)を使用しているものが多いです。
またコスト面を考えて、再製加工塩を使用しているお醤油もあります!
精製塩を使用したお醤油は避けたいですね
小麦の違いと注意点
小麦は国産小麦か輸入小麦の違いです。
- 国産小麦
- 輸入小麦
自然食品店のお醤油は、国産小麦を使用しているものが多いです。
一般的なお醤油は、輸入小麦を使用しています。
ここで注意しなければいけないのが、輸入小麦です。
- 大量の農薬散布
- 収穫前・後に除草剤散布
- 遺伝子組み換え作物の可能性
輸入小麦はとにかく農薬や除草剤を大量に散布されているリスクがあります。
通常の栽培よりも大量に散布されています。
効率よく収穫するために、収穫前に除草剤を散布するプレハーベスト。また長期保管や輸送中の害虫対策に、収穫後も除草剤を散布するポストハーベストが行われています。
これらは日本では認められていません。
小麦の遺伝子組み換え混入は、ほぼ心配はないでしょう。しかし海外では遺伝子組み換え栽培を認めている国もあります。
なので混入が0とは言い切れないですが、過度に心配する必要はないですね。
【無添加醤油】製造方法の違い
醤油の製造方法は大きく3つに分かれます。
- 本醸造
- 混合醸造
- 混合
本醸造、混合醸造、混合のそれぞれの特徴は・・
江戸時代からの伝統的な醤油の製造方法がこちら。昔ながらの造り方だと手作業で行う部分が多く、手間と時間がかかります。現代式の本醸造は機械化される部分もあり、作業効率も上がり完成までの時間も大きく短縮されてます。
※詳しい製造工程は後程解説します
諸味にアミノ酸液や甘味料を添加し、醸造する製造方法。アミノ酸液を加えることで発酵が促進され、本醸造よりも早く熟成できます。アミノ酸独特の旨みが増すのが特徴。
本醸造で造られたお醤油にアミノ酸液や甘味料を混ぜて特徴を出す製造方法。アミノ酸液や甘味料を加えることで旨みと甘味が特徴的。刺身やお寿司で使われる甘い醤油はだいたいこの混合醤油。
自然食品店のお醤油は本醸造です。
さらに本醸造の中でも”天然醸造“と呼ばれる製造方法で造られています。
天然醸造と一般的なお醤油の本醸造の違いは何か?
伝統的な天然醸造と現代的な本醸造の違い
天然醸造は江戸時代からの伝統的な醤油の製造方法です。
現代的な本醸造との違いは・・
- 手作業で製造
- 自然な温度で発酵
- 完成に1~3年
- 熟成が長く色が濃い
- とろっとしている
- 添加物を不使用
- 機械で生産
- 機械で温度を調整して発酵
- 完成に3カ月~半年
- 熟成が短いと色が薄い
- さらっとしている
- 添加物を使用
天然醸造が製造手順の多くを手作業で行っているのに対して、現代的な本醸造は作業の大半を機械化して製造しています。
次に発酵にかける時間に違いがあります。
天然醸造の醤油が完成するまでに1~3年かかるのに対して、現代的な本醸造は3カ月~半年くらいで完成します。機械で温めて発酵を速めることを速譲(そくじょう)と呼びます。
天然醸造は自然の温度に委ね、じっくりと時間をかけて発酵させます。
現代的な本醸造ではヨーグルトメーカーのように機械で温度を調節して、発酵にかかる時間を大幅に短縮しています。
醤油の製造工程
❶下準備
丸大豆(もしくは脱脂加工大豆)を蒸す。小麦を炒る。
❷麹造り
蒸した大豆と炒った小麦を混合。種麹を加えて「麹」を造る。
❸諸味造り
②の麹に食塩水と一緒に木桶(もしくはタンク)に仕込んで「諸味(もろみ)」を造る。
❹発酵・熟成
③の諸味を攪拌しながら、発酵・熟成させていく。
天然醸造:1~3年
本醸造(速譲):3カ月~半年
❺圧搾
諸味を布に入れて搾る。醤油(生揚げ醤油)と搾りかすに分離される。
❻火入れ
搾った生揚げ醤油に熱を加えて、微生物を失活させる。色合いの調整と香りづけ。
❼瓶詰めをして完成
瓶詰め(もしくはペットボトル)、ラベルを貼って完成。
天然醸造で特筆すべき作業は②の麹造りと④の発酵・熟成ですね。
麹造りの際には温度調整が重要になって来ます。発酵が進むと温度が高くなって来ます。温度が高くなり過ぎると菌が失活してしまいますので、天窓を開けて熱を逃がすなどの温度調整を夜通し行います。
天然醸造の醤油蔵に見学に行かせてもらって聴いたのは、麹造りをする期間は家族で交代しながらされるそうです。
木桶に移しての発酵・熟成の機関では、櫂棒(かいぼう)を使って攪拌(混ぜ)続けます。
これを1~3年かけて熟成させていく長期戦。
丸大豆醤油は2年かけてやっと美味しくなると言われているそうです。
味も長期熟成の天然醸造と速譲の本醸造の醤油では味も違います。
天然醸造は味に確かな深みがあり、とろっと濃厚なのが特徴です。速譲の本醸造は色も薄くさらっとしていて口当たりも軽い。
ぜひ一度食べ比べてみてほしいですね~!!
「うま味」「塩分」「アルコール分」の濃度がバランス良く高くなるとカビの発生を抑えることができます。天然醸造は長期熟成をする中でそれぞれの濃度を高めていきます。逆に速譲で造った醤油は、3つの要素の濃度が足りない。それを補うためにアルコールなどを添加して、カビの発生を抑えています。
実際の製造工程を知ると天然醸造の価格が一般的な醤油を比べて高くなるのも納得しますね。生産者さんの労力に感服します。
【無添加醤油】醤油の見分け方
それでは製品化された醤油を見て、無添加醤油をどうやって見分けるか解説していきます。
結論、裏のラベルで見分けます!
醤油のラベルの見方
ラベルを見る上で注目する点は・・
- 名称(製造方法)
- 大豆か脱脂加工大豆かどうか
- 大豆の産地
- 小麦の産地
- 塩の種類
- 添加物の有無
- 天然醸造と書いてあるか
ラベルの見方はわかりますか?
【名称】の欄を見ると「こいくちしょうゆ(本醸造)」と書いてあり、本醸造のお醤油だということがわかります。
【原材料名】の欄では「丸大豆」なのか「脱脂加工大豆」なのかを確認。大豆(〇〇県)と書いてあれば国産の大豆ということがわかります。
小麦の産地もわかると良いですね。記載がない場合は輸入小麦である可能性が高いです。
塩も「食塩」とだけ表示されていることが多いです。原材料名の枠外にある醤油の解説を確認してみましょう。
【添加物】は原材料名の一覧の中に「/(スラッシュ)」の記載があれば、スラッシュ以降の原材料は添加物のことです。スラッシュがなければそれは添加物なしの無添加醤油であることがわかります。
天然醸造であるかの確認は、原材料の枠外に醤油を解説している文章の中に書いてある可能性があります。
ラベルを並べて見るといかに天然醸造のお醤油の原材料がシンプルかわかります。大豆、塩、小麦の3つだけ。
それに比べて右の商品は、甘味料から添加物まで様々なものが加えられていることがわかります。
天然醸造の見分け方
ここでは天然醸造の見分け方を解説します。
上の写真は岡山の天然醸造のお醤油「鐵次郎」のパッケージとラベルです。
- 原材料が「大豆(丸大豆)」「塩」「小麦」の3つだけ!
- 原材料の産地が国産!
- 塩の種類が国産天日塩などの自然に近い塩!
- 天然醸造かの確認(ラベルに記載アリ)
- 添加物の有無の確認
参考にして天然醸造の醤油を見つけてみてください!
おすすめの天然醸造の醤油
鐵次郎
720ml
山近醤油醸造場
国産有機・旨しぼり醤油
500ml
海の精
純正こいくち醤油
900ml
マルシマ
有機純正醤油・紙パック
550ml
マルシマ
純正淡口しょうゆ
720ml
ヤマヒサ
有機杉樽しょうゆ・濃口
900ml
マルシマ
\大豆と小麦不使用/
純米醤油
150ml
大正屋醤油店
まとめ
醤油を違い、見分け方、選び方、おすすめの醤油の醤油を解説しました!
けっこうなボリュームになりましたが、醤油の基礎知識を幅広くお伝えできたのではないでしょうか。
もし「天然醸造のお醤油を使ったことない!」って方は、ぜひ一度お試しいただければ!
店主が自然食品に興味を持つきっかけになったのが、地元の天然醸造の醤油との出逢いでした!
「こんなに美味しい醤油があるのか!」
と感動したのを覚えています。
この記事が醤油の魅力を知るきっかけになれば嬉しいです!
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