こんにちは!岡山の自然食品店さしすせそです!
今回は平飼い卵、放し飼い卵について解説を行います!

平飼い卵ってあるけど、普通の卵と何が違うの?
平飼いと放し飼いの違いは?
そんな疑問にお答えします。



平飼いと放し飼いは一見同じように見えますが、飼育環境やエサに違いがあります。詳しく解説していきますので、卵選びの参考にしてください!
- 一般的な卵、平飼い、放し飼いの違いがわかる
- 一般的な卵、平飼い、放し飼いの飼育環境がわかる
- 一般的な卵、平飼い、放し飼いのエサが分かる
- 一般的な卵、平飼い、放し飼いの卵の栄養価の違いがわかる
一般的な卵と平飼い卵、放し飼い卵は何が違うのか?


いつもスーパーに並んでいる卵。たまにその横に「平飼い卵」と書いてあるのを見かけたことありませんか?
価格も普通の卵と比べるとちょっと高い。一体何が違うのか。そんな疑問に思った事はないでしょうか?
卵は鶏の飼育方法によって大きく3種類に分かれます。
- 一般的な卵(ケージ飼い)
- 平飼い卵(ケージ/ケージフリー)
- 放し飼い(ケージフリー)
ケージとは鶏を閉じ込めておく檻や籠、部屋のことを言います。
一般的な卵を産む鶏は、狭いケージの中で飼育されています。それに対して、平飼い卵の鶏は広い鶏舎の中で、放し飼い卵の鶏は鶏舎だけでなく外にも自由に動ける環境で飼育されています。鶏がストレスフリーで飼育されているのが大きな特徴です。
また他にも鶏が食べるエサの違いなどもあり、これらの環境の違いで卵の味の違いや色、栄養価にも違いがでます。卵アレルギーをお持ちの方でも、平飼いや放し飼いの卵なら食べれるって方もいます。それはエサによる影響と考えられます。
一般的な卵、平飼い卵、放し飼い卵を選ぶ上で、考えられているポイントはこちらです。
- どんな環境で飼育されているか
- どんなエサを食べているのか
- 卵の栄養価の違い
- 動物福祉的な観点
一般的なケージの卵、平飼い卵、放し飼い卵、それぞれの違いやメリット、デメリットなどを順番に解説していきます。
一般的な卵…ケージ飼いの卵とは?


まずは私たちが身近で一番、口にしているケージ飼いの卵について知っていきましょう。
ケージ飼いの卵は、日本を含め世界中で最も一般的に流通している卵です。コストや生産効率の面で優れていて、消費者にとって手に取りやすい価格で買えます。しかし飼育環境や鶏の健康、栄養価について議論されています。
【ケージ飼い】飼育環境について【バタリーケージ】


一般的な卵は、どういった飼育環境で鶏を育てているのか?
鶏を飼育するケージを「バタリーケージ」と言います。バタリーケージは金属製のワイヤーで囲んだケージです。空間はとても狭い上、1つのケージに3~5羽の鶏が詰め込まれます。1羽あたりのスペースはA4用紙ほどと言われることがあります。
産んだ卵は下のベルトコンベアに転がり、自動で回収されます。鶏糞は下に落ち、掃除しやすいようになっています。
基本的にケージ飼いの鶏は、一生をそこで過ごします。
ケージで飼育することは、狭い空間でより多くの鶏を育てれるため、生産効率が良いのが特徴です。その反面、狭い空間で閉じ込められた鶏のストレスや動物福祉の観点で問題視されています。
【ケージ飼い】エサについて【配合飼料】
ケージ飼いの鶏のエサは、配合飼料と呼ばれる人工的な飼料です。鶏の健康や産卵量を最大化するために、栄養バランスとコスト重視で作られています。飼料コストは大きいので、コストを抑えれることは生産者さんにとっても経済的。保存性も高く、使用方法が簡単なのも特徴です。
配合飼料の主な原料は、穀物、たんぱく質、ミネラル、ビタミン、添加物で構成されています。配合飼料の半分以上はとうもろこしです。脱脂大豆も使用されますが、とうもろこしと脱脂大豆は遺伝子組み換え(GMO)の場合が多い。
その他の詳しい配合などについては、後ほど詳しく解説します。
平飼い卵と放し飼い卵の飼育環境について


平飼い卵、放し飼い卵の飼育環境の違いについて、比較、解説していきます。
卵を産む鶏の飼育環境で見るポイントは次の4つです。
- バタリーケージ(狭い)
- エンリッチドケージ(広い)
- 鶏舎(日光なし)
- 鶏舎(日光あリ)
- 鶏舎+屋外
一般的な卵は、前の章でも解説したようにバタリーケージという狭い空間で鶏は飼育されています。バタリーケージ以外にも、広めな空間で育てるエンリッチドケージで飼育される場合もあります。少ないですが、一部の養鶏所が採用しています。
EUでは2012年から鶏のバタリーケージが禁止になっています。しかしケージ飼いがなくなったのではなく、エンリッチドケージと呼ばれる拡張型のケージであれば飼育できます。エンリッチドケージには、「1羽につきケージ面積 750 ㎠(うち利用可能面積 600 ㎠)以上」、「全体が高20cm以上」、「巣箱・敷料・止まり木(1羽につき15cm以上)の設置」などの最低基準が定められています。当然、バタリーケージよりもコストがかかります。そのため日本ではエンリッチドケージはほぼ普及しておらず、9割以上の養鶏所がバタリーケージを採用しています。(参照:https://www.hopeforanimals.org/eggs/468/)
ケージ飼いにはない設備について
ケージ飼いでは設置されていない設備が、平飼いや放し飼いにはあります。
- 広い運動スペース
- 地面に触れる環境
- 止まり木
- 砂浴び場
- 産卵箱(巣箱)
- 日光を浴びる環境
これらの設備は、鶏の健康面やストレスに大きく関係します。また動物福祉の観点からも重要視したい点です。
設備 | ケージ飼い卵 | 平飼い卵 | 放し飼い卵 |
---|---|---|---|
鶏舎の構造 | ケージありで、自由に歩き回れない | ケージなしで、自由に歩き回れる | ケージなしで、自由に歩き回れる |
床材 | 金属 | 土、おがくず、藁など | 土 |
止まり木 | なし | あり | あり |
産卵箱 | なし | あり | あり |
砂浴び場 | なし | あり | あり |
日光用の窓 | なし | あり/なし | 屋外で浴びれる |
広い運動スペース
平飼いと放し飼いの魅力は、なにより鶏が自由に動き回れる「広い運動スペース」があることですね。エンリッチドケージでも若干の運動スペースはありますが、平飼いや放し飼いのように自由に動き回ることはできません。運動不足により、骨が弱くなりやすい指摘もあるので、運動スペースは鶏の健康面でとても有効です。
地面(土や草)に触れる環境
意外な点で、土の上で活動できる環境も鶏にとっては重要です。鶏はもともと活発に歩き回る動物で、土の上を歩くことで足の筋力が発達します。ケージ飼いの
また鶏には「地面をつつく」という本能的な行動があります。これはエサを探すのが主な目的です。地中にいるミミズや昆虫、草の種、小石などをつついて食べる習性があります。栄養バランス的にもミネラルやたんぱく質の摂取に役立っています。
一羽が良いエサを見つけると、他の鶏も同じ場所をつつき始めることがあります。仲間と一緒に地面をつつくことで、群れのコミュニケーションや社会性を高める役割もあります。
その他、退屈しのぎやストレス解消にもなっています。
体温調整の役割もあり、暑い時期は地面に座って体を冷やし、寒い時期は温かいところを探します。
自然な菌に触れることで、免疫力も向上し、病気に強くなる可能性もあります。※半面、病原菌との接触するリスクもあります。
止まり木


鶏は本来、夜に止まり木にとまって寝る習性があります。バタリーケージには止まり木がありません。エンリッチドケージでは設置される場合もあるが、狭いため自然な姿勢が取りにくいです。
止まり木は木製や金属製の棒で、高さは数十センチ~1メートルくらいの所に設置します。直径3~5センチで鶏の足にフィットしやすいサイズになっています。
いじめられる鶏の逃げ場としても活躍します。
砂浴び場
砂や細かい土を敷いた場所で、鶏が体をこすりつけたり、羽を砂の中に埋めることができます。羽に汚れや油分がつきやすいため、砂浴びをすることで汚れを取り除き、羽をきれいに保ちます。羽の健康を保つのに欠かせない行動なんです。
また土の中に寄生虫やダニが取り込まれるため、皮膚を清潔に保ち、寄生虫のリスクを減らす役割もあります。
その他、リラックス効果や体温調整にも役立ちます。
産卵箱(巣箱)


産卵箱(巣箱)は鶏が安心して卵を産むための専用スペースです。鶏は本来、落ち着いた場所を好んで産卵するため、産卵箱を設置することでストレスを軽減し、卵を衛生的に管理できます。
一般的には、木や金属、プラスチック製の箱状の設備です。暗く落ち着ける構造で、鶏が安心できます。床には藁、おがくず、ゴムマットなどが敷かれ、卵が割れにくくなっています。1つの箱を複数の鶏が共同で利用します。
産卵箱が不足すると、鶏が地面や不適切な場所に産んでしまい、卵が汚れやすくなってしまいます。
ケージ飼いでは専用の産卵箱はありません。代わりに「傾斜したワイヤー床」が産卵スペースの役割を果たしています。鶏が卵を産むと、そのまま傾斜を転がって卵回収レーンに移動します。人の手を介さず、ベルトコンベアで回収できるため、効率的で衛生的です。ただケージ内には十分な隠れ場所がないため、鶏が落ち着いて産めないことがあります。ストレスが要因となっています。
日光を浴びる環境
鶏が日光を浴びる環境で育つことは、卵の栄養や品質にも影響を与えます。特に関係が深いのはビタミンDですが、それ以外にも様々な要素があります。
日光を浴びることで、鶏の体内でビタミンD(D₃)が生成されます。これは自然なことで、人間も日光を浴びるとビタミンDを合成します。ビタミンDはカルシウムとリンの吸収を助けるため、卵の殻を丈夫にします。日光不足の鶏は、卵の殻が薄くなりやすいです。また産卵した卵のビタミンDも多くなります。
自然光の下で生活すると体内リズムが調い、ストレスが軽減されます。ストレスが少ないと安定した産卵が続き、品質の高い卵を産みやすいです。
放し飼いは屋外を歩けるため、日光を浴びる環境は整っています。平飼いの場合、養鶏所によって異なります。基本的には完全屋内での飼育で、日光ではなく人工照明です。鶏舎に大きな窓が付いていたり、一部屋外に出れたりする平飼いでは、日光を浴びれる環境もあります。
【平飼い卵】の飼育環境
平飼い卵は、基本的に鶏舎の中で飼育されています。
ケージ飼いと違い、「ケージを使わず、広い鶏舎の中で、地面の上を自由に動き回れる」のが特徴です。
ただ平飼いの鶏は、基本的に鶏舎の屋内のみで活動します。「平飼い」という名前だけ聴くと、自由なイメージがあり、野山を駆け回ってるのを想像するかも知れません。一部、屋外にもいける平飼いの養鶏所もありますが、場所や時間は限定的です。
設備 | 内容 |
---|---|
鶏舎の構造 | ケージなしで、自由に歩き回れる |
床材 | 土、おがくず、藁など |
止まり木 | あり |
産卵箱 | あり |
砂浴び場 | あり |
日光用の窓 | あり/なし |
平飼いの場合、注目するのは床材と日光用の窓の部分です。
床が地面の土の養鶏所もあれば、コンクリートの上に敷料(藁、おがくずなど)を置く環境の場合もあります。この場合、地面をつつく行為はできますが、虫やミミズは基本的にはいません。⇒卵の栄養価に関係
鶏舎の環境によって日光を浴びれる環境があるかどうかが変わります。鶏のストレスや卵の栄養価に関わって来ます。
日本では平飼いに関する認識がまだまだ部分もあり、広めのケージ(エンリッチドケージ)のことを平飼いとうたっている養鶏所もあります。実際にHPで確認しました。「平飼い」という文字だけでは認識できない部分も多いので、平飼い卵を生産されている農家さんのHPやSNS、販売店の方の声なども参考にしてみる必要があります。
【放し飼い卵】の飼育環境
放し飼いは、鶏舎と屋外で飼育されています。
放し飼いはなんといっても「屋外を自由に動き回れる」のが最大の特徴ですね。鶏がより自然に近い形で生活することができます。
設備 | 内容 |
---|---|
鶏舎の構造 | ケージなしで、自由に歩き回れる |
床材 | 土 |
止まり木 | あり |
産卵箱 | あり |
砂浴び場 | あり |
日光 | 屋外で浴びれる |
理想的な環境と言えますが、管理面ではとてもコストがかかります。
きつね、いたち、たぬき、からす、とび、猛禽類などの天敵による被害、病気や寄生虫のリスクも高まります。天候によって雨で地面がぬかるみ、不衛生になりやすい。直射日光による熱中症、冬場は体の冷え込みで体調を崩すこともあります。
ミミズや虫なども自由に食べるのでエサの摂取量を性格に把握しにくく、栄養不足や偏りが発生することもあります。
このコストは卵の価格にも反映しますので、消費者としてはその背景を知った上での購入が必要ではないでしょうか。
平飼いと放し飼いの衛生面について
鶏の飼育環境において、衛生面について考えることもとても必要です。特に鶏の羽や体の清潔さと糞の処理について注目しましょう。
動物福祉の観点では疑問視されるケージ飼いですが、衛生面では管理がしやすく、清潔を維持しやすい利点があります。
養鶏の衛生面全般
衛生項目 | ケージ飼い | 平飼い | 放し飼い |
---|---|---|---|
鶏の清潔さ | 体は汚れにくいが、運動不足で羽毛が傷むことも | 地面で汚れやすいが、砂浴びで清潔を保つ | はなしがつくが、自然な汚れ落としも可能 |
飲み水の衛生 | 自動給水で最も清潔 | 水に砂やエサが混ざりやすい | 雨水や自然水を飲むことがあり、リスク高 |
エサの衛生 | 餌箱で管理されるため清潔 | 地面に近いため糞や埃が混ざりやすい | 自然の餌を食べるが、異物混入の可能性 |
寄生虫・病気 | リスクは低い | 地面を歩くため中程度のリスク | 野鳥やネズミの影響を受けやすく高リスク |
卵の衛生状態 | 最も清潔 | 産卵箱管理が良ければ清潔を維持可能 | 土や糞が付着しやすく、回収の遅れが問題 |
平飼い、放し飼いは土や他の動植物との接触、また天候との影響から衛生面でのリスクが高まります。なので各養鶏所の管理体制に掛かっています。
糞の衛生面
項目 | ケージ飼い | 平飼い | 放し飼い |
---|---|---|---|
糞の分布 | ケージ下に集中 | 鶏舎全体に広がる | 屋外に自然分散 |
処理方法 | 機械で回収・処理 | 敷料で吸収し、掃除 | 自然分解 or 堆肥化 |
臭い | 強いが、換気すれば軽減 | 適切な管理で軽減可能 | 風通しが良ければ気にならない |
ケージ飼いの場合、金網の下にそのまま糞を落とすため、糞が体に接触して不衛生になることはありません。機械でそのまま回収、処理をされるので効率的です。
平飼いと放し飼いの場合、鶏が歩き回る中で自由に分布されます。
鶏舎の場合、わらやおがくずなどの敷料に吸収さます。衛星さを保つために、敷料の適度な入れ替えが必要になります。放し飼いの場合、自然界の力で分解されます。鶏舎内のみの管理する必要があります。
平飼いと放し飼いのエサについて


卵を選ぶ上で、鶏がどんなエサを食べているのかも重要になります。
鶏のエサには大きく分けて次のような種類に分かれます。
- 配合飼料
- 有機飼料
- 自然飼料
- 自家製飼料
配合飼料は、鶏に必要な栄養バランスを配合した人工的なエサです。有機飼料は、有機農法で育てられた作物や資料を使用したエサ。自然飼料は、自然環境にある食物を鶏が自ら食べるもの(草や虫、ミミズなど)。自家製飼料は、養鶏農家が自分で作るエサ。
飼育方法によって、どのエサを与えているのまとめるとこうなります。
飼育方法 | 主に与えられるエサ |
---|---|
ケージ飼い | 配合飼料、場合によっては有機飼料 |
平飼い | 配合飼料、有機飼料、自然飼料 |
放し飼い | 自然飼料(草、虫、ミミズ)、配合飼料、有機飼料 |
ケージ飼いは効率とコスト削減を重視するため、配合飼料が大半です。ただ一部、有機飼料を使用している場合もあります。
平飼いは有機飼料のイメージがありますが、配合飼料を使用するところが一般的です。有機飼料を与える養鶏所も増えています。一部、屋外に出られる養鶏所の場合、草や虫、みみずなどの自然飼料も摂取することがあります。
放し飼いでは、屋外に自由に出られるため、自然飼料を食べる機会は増えます。ただし自然飼料のみでは、栄養の不足や偏りもあるため、配合飼料や有機飼料で保管している養鶏所が多いです。一部、小規模農場や家庭用養鶏にて、自然飼料のみで飼育されることはあります。それでもミネラルやビタミンを栄養補助として与えることも。
配合飼料について
配合飼料は、鶏に必要な栄養バランスを配合した人工的なエサです。ケージ飼いだけでなく、平飼いや放し飼いでもエサとして使用されます。なので配合飼料については、より詳しく解説していきます。
配合飼料の内容
主な配合飼料は、穀物(炭水化物)、たんぱく質、ミネラル、ビタミン、添加物で構成されています。
✅炭水化物
とうもろこし、小麦、米ぬか。
鶏の活動や産卵に必要なエネルギーを供給。配合飼料の約50~60%はとうもろこし。遺伝子組み換え(GMO)のとうもろこしが多い。あまり使われないが、日本では飼料米が使われることも。
✅たんぱく資源
脱脂大豆、魚粉、肉骨粉。
卵や筋肉を作る栄養源。大豆は植物性たんぱくとして広く利用。大豆も遺伝子組み換え(GMO)が多い。魚粉、肉骨粉は動物性たんぱく質。魚粉が多いと卵の匂いは生臭くなる。BSE(狂牛病)問題から、肉骨粉の使用が制限される国もある。
✅脂質
植物油(主にパーム油)、動物性脂肪(豚脂、魚油)。
配合飼料のカロリー(エネルギー)を上げるため。魚油が多いと卵のオメガ3脂肪酸が増えることもある。
✅ミネラル・ビタミン
カルシウム(カキ殻、石灰など)、リン、マグネシウム、鉄などのミネラル、ビタミンA・D・E群
健康維持のために使用。カルシウムは卵の殻を強くするために必須。リン、マグネシウム、鉄などは骨の成長や代謝を助ける。ビタミン類は産卵や免疫力向上のために添加。ケージ飼いは日光を浴びないため、特にビタミンDを強化する必要がある。ミネラルやビタミンは自然由来の原料ではなく、成分を精製して抽出したものを添加しています。
✅添加物・薬剤
抗生物質、成長促進剤、酸化防止剤(BHT・BHA)、着色料(卵黄の色を調整)
病気予防のために微量の抗生物質を混ぜることがある(特に大量生産のケージ飼い)。EUでは抗生物質の使用が制限されているが、日本では一部使用可能。酸化防止剤は、脂肪の酸化を防ぐために添加。一部の国では安全性の問題で使用が禁止されている。着色料は、卵黄の色を濃くするために マリーゴールド粉末・パプリカ粉末・合成色素(カンタキサンチン) などが添加されることがある。
配合飼料のメリット・デメリット
配合飼料のメリットとデメリットについて解説していきます。
配合飼料のメリット
✅ 栄養バランスが安定している
✅ コストが安く、大量生産ができる
✅ 年間を通じて安定供給できる
配合飼料は、必要な栄養素が過不足なく配合されています。コストが安く、生産者さんにとって経済的な選択肢。自然環境に左右されず、一定の品質の卵を生産することが可能なのがメリットです。コストが安いのは、消費者の価格へも影響があります。
配合飼料のデメリット
❌ 遺伝子組み換え作物が多い
❌ 抗生物質や成長促進剤の使用リスク
❌ 栄養バランスが単調になりがち
トウモロコシ・大豆は、遺伝子組み換え(GMO)が多い。また抗生物質の残留が懸念されることもある。昆虫や雑草を食べる放し飼いの鶏と比べると、微量栄養素の多様性が低い。
有機飼料、自然飼料、自家製飼料について
配合飼料以外の有機飼料、自然飼料、自家製飼料について、簡潔に解説していきます。
有機飼料について
有機飼料は、 有機農法で育てられた作物や飼料を使用したエサを指します。
内容: 化学肥料や農薬を使用せずに栽培された作物(オーガニックトウモロコシ、有機大豆など)が主成分。動物由来の成分や化学物質が含まれていないことが特徴です。
特徴: 鶏が摂取する飼料が環境や健康に配慮されており、消費者が安心して食べられる卵を提供するために使用されます。価格が高くなる傾向があります。
自然飼料(自然環境)について
自然飼料は、自然の環境にある食物を鶏が自ら食べるもの。
内容: 例えば、放し飼いであれば草や虫、ミミズ、その他の自然に存在する食物を鶏が食べます。この場合、農場で管理されたエサは使われない場合もあります。
特徴: 鶏が自分で食物を探して食べるため、栄養のバランスが偏る可能性がありますが、自然で自由な生活が提供されます。
自家製飼料
自家製飼料は、養鶏農家が自分で作るエサ。
内容: 農場で育てた作物や自家製の食材(例えば、自家製の穀物や野菜の残渣)を使用したエサ。コスト削減を目的として使用されることが多いですが、栄養バランスには注意が必要です。
有機飼料、自然飼料、自家製飼料のメリット、デメリット
有機飼料、自然飼料、自家製飼料のメリット、デメリットについて解説していきます。
有機飼料、自然飼料、自家製飼料のメリット
有機飼料、自然飼料に関しては、食の安全面では安心して卵を安心して食べれるのが最大のメリットですね。遺伝子組み換え(GMO)も含まれていません。
自然飼料では配合飼料では補えない栄養の多様性が見込めます。
自然飼料と自家製飼料に関しては、コストを抑えれるメリットがあります。
有機飼料、自然飼料、自家製飼料のデメリット
有機飼料のデメリットは、コストが高くなる面です。
自然飼料のデメリットは、栄養面が偏ってしまう可能性があることです。配合飼料、有機飼料、特定のミネラルやビタミンなどの栄養素で補完する必要があります。栄養が不足すると、卵の産卵率は下がり、薄い色の卵になります。
自家製飼料に関しては、農家さんの配合に左右されるため、安全性や栄養バランスは農家さんのやり方に委ねられます。
平飼いと放し飼いの卵の栄養価の違い


ケージ飼い・平飼い・放し飼いの飼育環境やエサの違いにより、卵の栄養価にも影響があります。
絶対とは言い切れませんが、考えられる栄養価の違いをまとめました。
栄養素 | ケージ飼い卵(一般的な配合飼料) | 平飼い卵(配合飼料 or 有機飼料) | 放し飼い卵(自然のエサ+有機飼料) |
---|---|---|---|
タンパク質 | ほぼ一定(約12〜13g/100g) | 若干高め(飼料による) | 若干高め(飼料と運動量による) |
脂質 | 標準的 | やや多め | やや多め+良質な脂肪酸比率 |
オメガ3脂肪酸 | 少なめ(一般飼料の影響) | やや多め(エサ次第) | 多め(草・虫を食べるため) |
ビタミンA | 一定 | 高め(自然な飼料で増加) | 高め(緑餌を食べる影響) |
ビタミンD | 少なめ(室内飼育) | やや多め(日光の影響) | 多め(直射日光を浴びる) |
ビタミンE | 一定 | やや多め(自然飼料の影響) | 多め(放牧環境の影響) |
鉄分 | 一定 | やや多め(運動量増加で増える) | 多め(土壌の影響) |
抗酸化物質 | 少なめ(ストレスが多いため) | 多め(ストレスが少ない) | 多め(ストレスが少なく、自然のエサの影響) |
各飼育方法による栄養価の違いのポイント
1. オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の違い
- 放し飼いの鶏は草や虫を食べるため、オメガ3脂肪酸が多くなります。
- ケージ飼いの鶏は、トウモロコシや大豆が中心の配合飼料を食べるため、オメガ6が多く、オメガ3が少なくなります。
2. ビタミンDの含有量
- ケージ飼いの鶏は日光を浴びないため、卵に含まれるビタミンDが少ない傾向があります。
- 放し飼いでは鶏が太陽光を浴びるため、ビタミンDの含有量が増えます。
3. ビタミンE・抗酸化物質
- ストレスが少ない環境ほど、卵の抗酸化成分(ビタミンE・カロテノイドなど)が多くなります。
- 放し飼いの鶏は自然の緑餌を食べるため、ビタミンEが豊富になります。
4. 鉄分・ミネラルの違い
- 放し飼いの鶏は土をついばむことで、鉄分やミネラルを自然に摂取し、それが卵にも反映されます。
- ケージ飼いの鶏は人工的に調整されたミネラルを飼料で摂取するため、ミネラルのバランスがやや異なります。
卵の殻や卵黄の色の違い
卵の殻や卵黄の色が卵によって違います。それは何が要因で変わるのでしょうか。
✅ 卵の殻の色は品種によって決まり、栄養価には関係がない
✅ 卵黄の色はエサによって決まり、着色飼料で調整することも可能
✅ 自然な環境で育った鶏の卵黄は、カロテノイドの影響で濃いオレンジ色になりやすい
色だけで栄養価を判断するのは難しいですが、鶏の飼育環境やエサの内容を知ることで、より良い卵を選ぶことができます。
卵の殻の色の違い
① 品種による違い
卵の殻の色は、鶏の品種によって決まります。鶏の**耳たぶ(鶏冠の下にある肉垂れ部分)**の色と卵の殻の色は基本的に一致します。
- 白色の耳たぶ → 白い卵(例:白色レグホン)
- 赤色の耳たぶ → 茶色の卵(例:ボリスブラウン、ロードアイランドレッド)
👉 殻の色は栄養価とは無関係であり、見た目の違いだけです。
② 飼料による影響
まれに、鶏のエサに含まれる成分が殻の色に影響を与えることもあります。例えば、カルシウムの含有量や種類によって、殻の厚みや若干の色合いが変化することがあります。
③ 殻の厚さの違い
- 若い鶏の卵 → 殻が薄め
- 年齢が上がると → 殻が厚くなる傾向
- カルシウムを十分に摂取した鶏の卵 → 殻がしっかりしている
2. 卵黄の色の違い
① エサの違い
卵黄の色は**鶏のエサに含まれるカロテノイド(天然色素)**によって変わります。
エサの種類 | 卵黄の色 |
---|---|
トウモロコシ主体 | 濃い黄色〜オレンジ色 |
パプリカやマリーゴールド粉末入り | オレンジ色が強くなる |
小麦主体 | 薄い黄色 |
青草、虫、自然のエサ(放し飼い) | 濃いオレンジ〜赤みがかる |
人工着色飼料 | 人為的に濃いオレンジに調整可能 |
👉 日本では濃い黄色〜オレンジ色の卵黄が好まれるため、エサにカロテノイドを多く含む成分を加えることが一般的です。
② 自然環境の影響
放し飼いの鶏は草や虫を食べるため、自然なカロテノイドが増え、卵黄の色が濃くなりやすいです。
③ 色の濃さと栄養価の関係
濃い黄身の卵が栄養価が高いとは限らない
しかし、放し飼いの鶏が食べる天然のカロテノイド(例えばルテインやゼアキサンチン)は抗酸化作用があり、健康に良い影響を与える可能性がある
平飼いと放し飼いのサルモネラ菌のリスク


卵を選ぶ上で忘れてはいけないことのは、サルモネラ菌のリスクです。サルモネラ菌とは食中毒の原因となる細菌で、特に卵に付着していることが多いです。感染すると、腹痛、下痢、発熱、嘔吐などの症状を引き起こし、免疫が弱い人(乳幼児、高齢者)では重症化することもあります。
最初にお伝えしておきますが、日本の卵にサルモネラ菌の汚染率は0.003%程度と言われ、極めて低いものです。また仮に汚染されていても、菌の数は卵1個あたりでも数個程度。常温でも一定期間内は繁殖しません。注意する必要はありますが、過度に恐れる必要はありません。



しっかりとサルモネラ菌の知識も身に付けておきましょう!
サルモネラ菌はどこに潜んでいるのか?
サルモネラ菌はどこにいるのか?
- 鶏の腸内
- 卵の殻
- 鶏舎の環境
鶏はサルモネラ菌を自然に保有していることが多いです。菌を持っていても鶏自信が病気になる事がありません。無症状のまま保菌します。
産卵時に糞と一緒に排出されることがあり、それが殻にサルモネラ菌がつく原因の一つです。また鶏舎の糞や汚れが原因で菌が広がることもあります。
卵内部に菌が入り込むことは珍しいですが、殻についた菌が調理時に混入することで食中毒の原因になります。
ちなみに人間には害がないが、鶏に害がある特定のサルモネラ菌もあります。ストレスや免疫力が低下すると「家禽サルモネラ感染症」を引き起こす場合があります。この時の菌は、人が食中毒のリスクがあるサルモネラ菌とはまた別の菌です。ただし日本の養鶏所ではワクチン接種や衛生管理で、この感染症はほぼ防がれています。
サルモネラ菌のリスク比較
ケージ飼い、平飼い、放し飼いでは、それぞれサルモネラ菌の汚染リスクに違いがあるのか比較します。
結論から言うと、サルモネラ菌の感染リスクは、
の順にリスクは高いです。
飼育方法 | リスク | リスクの特徴 |
---|---|---|
ケージ飼い | 低い | 鶏が地面に接触しないため、糞による汚染が少ない。 ただし、狭い空間での密飼いによる感染拡大リスクは高い。 |
平飼い | やや高い | 地面で生活するため、糞が鶏や卵に付着する可能性がある。 糞の管理が不十分だと、菌の繁殖リスクが上がる。 |
放し飼い | 高い | サルモネラ菌リスクが最も高い可能性がある。 外で自由に動き回るため、糞や野生動物との接触がある。 清潔な環境を維持するのが難しく、菌の持ち込みリスクも増える。 |
サルモネラ菌の汚染経路が主に糞から付着するケースが多いです。なので鶏が地面に接触しないケージ飼いの場合、糞による汚染が少ないため感染リスクが低いです。ただし狭い空間での密集しているので、一度感染すると拡大のリスクは高いです。
逆に地面で生活する平飼いや放し飼いでは、糞が鶏や卵に付着する可能背があります。糞の処理が不十分だと、菌の繁殖リスクが高まります。
特に放し飼いの場合、外で自由に動き回るため、糞の処理を管理することが難しいです。集卵が難しく、見落とした卵が腐敗してサルモネラ菌が増殖する可能性があります。また雨や泥が卵へ付着、外部の動物との接触もあり、菌の持ち込みリスクも増えます。
サルモネラ菌の対策
日本では卵を生食する文化があり、卵の販売元はサルモネラ菌対策を行っていることが多いです。また消費者の視点でサルモネラ菌のリスクを軽減する方法もあります。それぞれ解説していきます。
サルモネラ菌の殺菌方法
卵のサルモネラ菌の殺菌方法はいくつかあります。
- 紫外線(UV)殺菌
- 温水洗浄・消毒(次亜塩素酸)
- 酸性電解水・オゾン水洗浄
- 殻なし(卵液)の低温殺菌
紫外線殺菌…卵の殻に紫外線を照射して表面の細菌を殺菌します。これは大腸菌などの雑菌も減らせます。卵の内部には影響ありません。
温水洗浄・消毒…40~60℃の温水+洗剤で卵の殻を洗浄。その後、次亜塩素酸水や塩素系消毒液で除菌。表面の汚れや菌を落とすが、卵の中には影響なし。
酸性電解水・オゾン水洗浄…酸性電解水やオゾン水を使い、化学薬品を使わずに殺菌。食品に残留物がないため、安全性が高い。
殻なし(卵液)の低温殺菌…割った卵の卵液を60~65℃で2~4分間加熱し、菌を死滅させます。マヨネーズやプリンなどの加工品用の卵を処理する時に行われています。
殺菌の落とし穴
実はサルモネラ菌の殺菌は、良い事ばかりではありません。卵の表面にはクチクラという保護膜で覆われています。それが菌の侵入を防いでくれています。それが強力な洗浄によって、クチクラが剝がされてしまっている可能性があります。クチクラが剥がれることで、サルモネラ菌以外の菌が卵の内部に侵入してくるという別のリスクが発生します。
海外ではサルモネラ菌の殺菌は義務化されている国もあり、卵の生食は禁止となって販売されているケースが多いんです。特にアメリカは卵の消毒が義務化されているため、強力な洗浄と消毒を施しています。なので生食には向いていません。
日本では生食を前提に卵を生産していると事が多く、なるべくクチクラが剥がれないように殺菌処理を行っています。ただし中には、サルモネラ菌殺菌を未実施の小規模農場もあります。※大手メーカーは基本的に実施。もしくは強力な洗浄によってクチクラが剥がれているメーカーもあります。
消費者ができるサルモネラ菌の予防対策
消費者ができるサルモネラ対策もあります。
- 加熱調理を行う
- 卵を触った手を洗う
- 卵が触れた場所を殺菌する
- 「殺菌処理済み」「新鮮なもの」を選ぶ
サルモネラ菌は熱によって死滅します。※冷凍・冷蔵では菌の増殖を抑えれますが、死滅させることはできません。
65℃以上で数分間、75℃以上で1分以上加熱すると確実に死滅。中心温度が70℃以上に達していれば、ほぼ安全です。ただし半熟などの焼きムラがあれば、死滅していない可能性があります。
殻にひびが入っている卵は、内部に菌が侵入している可能性があります。割れているものは加熱処理が安全です。
サルモネラ菌は卵の殻に付着している可能性があるので、殻を触った手をこまめに洗いましょう。卵が触れた場所をアルコールなどで殺菌するようにしてリスクを軽減することができます。
販売元がサルモネラ菌の殺菌処理をしている場合、パッケージなどに表示されています。どのような殺菌処理をされている気になる方は、販売元に問い合わせて確認しましょう。
またサルモネラ菌はすぐに増殖しないので、なるべく新鮮なものを選ぶこともリスク回避に繋がります。



賞味期限の長いものばかりを選ぶのは、食品廃棄に繋がります。なるべくは賞味期限の近いものから買ってもらう方が持続可能な選択になります。
平飼いや放し飼いの卵を買う場合
平飼いや放し飼いの卵は、一般的なケージ飼いの卵よりもサルモネラ菌のリスクは高まります。販売元はサルモネラ菌の殺菌を行っているのかどうか。殺菌を行っている場合、どのような殺菌処理をおこなっているのかを確認することでより安全に卵を楽しむことができます。
の鶏の動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点


日本ではまだまだ馴染みはありませんが「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の考え方が、少しずつ世界で広まって来ています。この概念は、動物が物理的および心理的に健康でストレスの少ない環境で生活することを目的としています。
アニマルウェルフェアの基準は、動物が自然に持つ本能的な行動(鶏では歩く、飛ぶ、つつく、砂浴びをするなど)を行える環境が提供されることが含まれます。
ケージ飼いはアニマルウェルフェアの観点からも最も行動が制限的で、動物福祉が低い飼育方法です。狭いケージ内でほぼ動けず、自然行動が大幅に制限されるため、ストレスが多く、精神的な健康が損なわれやすいです。
またケージ飼いの鶏は、くちばしを切断するデビアリングを行います。これは鶏が狭い空間で他の鶏と接触することが多いため、ストレスや過密飼育による攻撃的な行動が現れやすいからです。
EUではバタリーケージは禁止されています。完全な解決策ではありませんが、エンリッチドケージへの改善するように声が上がっています。
平飼いや放し飼いの環境は、鶏の本能的で自然な行動を行うことができます。歩いたり、羽ばたいたり、砂浴びをすることができるため、心理的な健康も守られます。屋外も自由に動ける放し飼いは、アニマルウェルフェアの観点では最も理想的と言えます。
ただし天候や野生動物、病気などの外的リスクとコストが、販売価格に乗ることは避けれません。
動物福祉の観点も重要ですが、各個人の経済的な面ではケージ飼いも必要な場面はあります。そこが悩ましい問題です。
平飼いと放し飼いのメリット・デメリット


鶏の飼育環境、エサ、動物福祉について解説してきました。その上で、総合的なメリット、デメリットについて比較しながら解説していきます。
飼育方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ケージ飼い | ・生産効率が高い ・安定した卵の供給 ・コストが低い ・衛生管理がしやすい | ・動物福祉の問題 ・自然な行動ができない ・栄養バランスの偏りがある場合がある |
平飼い | ・自然な行動ができる ・風味や栄養価の高い卵 ・動物福祉に配慮 ・栄養の多様性 | ・生産効率が低い ・衛生管理が難しい ・栄養不足のリスク ・コストが高い |
放し飼い | ・最も自然な飼育方法 ・風味豊かな卵 ・鶏の健康が保たれやすい ・自然の食物を摂取できる | ・生産効率が低い ・リスクが高い(外敵、天候、病気) ・コストが非常に高い ・衛生管理が難しい |
ケージ飼いは効率性やコスト面では優れていますが、動物福祉の観点で批判されることが多く、自然な生活を送ることができません。
平飼いは鶏の健康や動物福祉に配慮された方法ですが、生産効率やコスト面では劣ることがあります。
放し飼いは最も自然な飼育方法で、鶏が自由に動き回り、風味豊かな卵を提供しますが、コストやリスクが高く、管理が難しいというデメリットもあります。
販売価格だけを考えると、ケージ飼いの一般的な卵が最も安価に購入できます。しかし飼育環境の動物福祉やエサによる安全性など考えた上で、購入する卵を選ぶべきではないでしょうか。
おまけ:平飼いと放し飼いで卵アレルギーが出ない!?


平飼いや放し飼いの卵を食べた時に、卵のアレルギー症状が出なかったという体験談を聴く事があります。
これにはいくつかの要因が考えられますが、科学的に明確な結論は出ていません。考えられる可能性を上げると‥
- 鶏のエサの違い
- 抗生物質や化学物質の影響
- ビタミンDと免疫の関係
卵アレルギーの主な原因は、卵白に含まれるオボアルブミン、オボムコイドなどのタンパク質です。それが鶏の食べるエサによって、卵の成分が変化する可能性があります。
有機飼料や自然なエサ(草、虫など)を食べることで、卵の成分が異なります。栄養成分の違いでアレルギー症状に影響を与えている可能性が考えられます。。
配合飼料には、遺伝子組み換えの穀物、合成添加物、場合によって抗生物質が含まれることがあります。それによる栄養成分の問題か、もしくは卵へのアレルギー反応ではなく、添加物や抗生物質への反応だった可能性もあります。
また日光を浴びている鶏によるビタミンDの増加で、アレルギー反応の軽減につながっている可能性も。ビタミンDは免疫調整の役割を持ち、一部のアレルギー反応を抑える働きがあります。その影響も感がられます。
確実性がないのと、人体の健康に影響があるため、「平飼い」「放し飼い」だから大丈夫と言うことは一概には言えません。また配合飼料を使用している平飼いや放し飼いもあるので注意が必要です。日光を浴びれる環境かの違いもあります。



平飼いや放し飼いだから、卵アレルギーが起きないと決めつけるのは危険です。
まとめ
一般的な卵や平飼い、放し飼いの卵の違いについてご理解いただけましたでしょうか。
飼育環境や与えているエサに関しては、目に見えない部分です。飼育環境による鶏のストレス、エサの違いによる卵の栄養価の違いなどを知ることは、卵を選ぶ上で重要ですね。
「平飼い」や「放し飼い」の表記だけでは、分からない部分も多いです。なので養鶏所に直接問い合わせるなどして、確認してみましょう。
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