こんにちは!岡山の自然食品店さしすせそです!
今回はフェアトレードのお話です!
フェアトレードって何?
フェアトレードの商品とそうでない商品は何が違うの?
社会問題の1つであるフェアトレードについての解説をします!
今回、小学生の子にもわかりやすいように、記事を書きました!ぜひ親子で読んでもらいたいですね
- フェアトレードが何かわかる
- 値段の秘密がわかる
- 生産の裏側がわかる
安いのと高いのどっちがいい?
買い物に来ました。目の前に板チョコが2つ並んでいます。
同じサイズ。同じ甘さ。
1つは1枚150円。もう1つは1枚600円。
どちらの板チョコを選びますか?
おそらく150円の方を選ぶ人の方が多いのではないでしょうか。
質問を変えます。
- 150円の板チョコを買うと、30年後にチョコレートが食べられなくなる。
- 600円の板チョコを買うと、30年、50年、100年後もずっとチョコレートを食べることができる。
この場合なら、どちらを選びますか?
600円の方を買いますか?
30年後のことは考えずに150円を選びますか?
50年後や100年後なんて自分には関係ない?
もしこれが本当の話だったらどうでしょうか。
いつも食べているものや身近な物がどうやって作られているのか、考えてみませんか?
なぜ安く買えるのか?
150円と600円のチョコレート、同じサイズ、同じ甘さ(似た材料を使用)なのに、なぜ価格に違いがでるのでしょうか?
※ここでは材料の品質も同じものとします。
600円でチョコレートを売っている人が、わざと高く売っているわけではありません。
もしあなたがチョコレートを安く売ろうと考えたら、どのようにすれば良いでしょうか?
1枚のチョコレートを作る材料が、200円かかるとしたら150円で売ることはできません。
ということは材料を安く手に入れることができたら、チョコレートを安く売ることができますよね。
チョコレートはカカオ豆からできています。
このカカオ豆が安ければ、わたしたちはチョコレートを安く買うことができます。
逆にカカオ豆が高ければ、わたしたちが買うチョコレートは高くなります。
でも忘れてはいけないのは、カカオ豆を作っているカカオ農家さんがいることです。
わたしたちが安くチョコレートを買うとしたら、材料を栽培している農家さんがもらえるお金は少なくなるということ。
もらえるお金が少ないと、農家さんの生活は苦しくなります。
600円のチョコレートの方は、材料のカカオ豆を高く買っています。
カカオ豆を高く買うことで、カカオを栽培する農家さんのもらえるお金は増えます。
もらえるお金が増えると、農家さんの生活は苦しくなりません。
チョコレートの価格が高くなることは、わたしたちにとっては困ることかも知れません。
今までと同じようにたくさんチョコレートを買うことはできなくなるかも知れません。
カカオ農家さんが苦しくてもいいから、150円でチョコレートを買い続ける方がいいのか?
チョコレートを食べる回数は少なくなるかも知れないけど、600円でチョコレートを買ってカカオ農家さんの生活を守るのか?
あなたはどちらを選びますか?
材料を生産する農家さんのことを考えて、材料を高く(適正な価格)で買うことをフェアトレードと言います。
フェアトレードとは?
「フェアトレード」て言葉を聴いたことがありますか?
フェアとは「公平な」という意味で、トレードは「貿易」と言う意味です。
フェアトレードとは、「公平な貿易」。
公平な貿易とはどういうことでしょうか?
貿易は、日本以外の違う国の間で、物を買ったり売ったりすること。
公平な貿易があるということは、「不公平な」(アンフェア)な貿易もあります。
もしフェアトレードのチョコレートが600円で売られているとしたら、150円のチョコレートはアンフェアなトレードで材料を買っているかも知れません。
カカオ豆をたくさん買って、多くの人に販売している大手のチョコレートメーカー(会社、お店)があります。
大手のメーカーはたくさん買う代わりに、カカオ農家さんからなるべく「安く」買うように約束(契約)をしています。
カカオ豆を安く買ったおかげで、わたしたちは「安く」チョコレートを買うことができるようになっています。
わたしたちが手軽に買っているチョコレートのほとんどは、このアンフェアなトレードでカカオ豆を買って来たものです。
アンフェアなトレードでカカオ豆を売っている農家さんの生活は苦しいものになっています。
この問題を解決するために、フェアな貿易を行おうという活動が「フェアトレード」です。
農家さんが1日働いてもらえるお金は?
1枚150円のチョコレートの中で、材料に使われるカカオ豆は何円だと思いますか?
100円?50円?
答えは3円です。
販売価格の2~3%くらいと言われています。
150円のチョコレートがたくさん売れても、農家さんに入ってくるお金はとても少ないんです。
カカオ豆を栽培している農家さんが、朝から晩まで働いてどれくらいのお金になるでしょう?
なんと・・1日150円くらいと言われています。
カカオ豆を栽培する作業は、重たいカカオ豆を運んだりと大変なお仕事が多いです。
なので1人で生産することはできません。
でもカカオでもらえるお金が少ないため、家族が手伝ってなんとか続けることができています。
お父さん、お母さん、子どもたちがみんなで働いて、1人あたり150円くらいということです。
収入が少ないので、食べる、住む、教育、医療といった生活する上での必要な分のお金が十分にありません。
子どもたちは「児童労働」と言って、学校に通って勉強することができずに家の仕事を手伝っています。
農家さんは「低賃金」と「児童労働」という2つの問題を抱えています。
フェアトレードは、適正な価格でカカオ豆を買うことで、これらの問題を解決しようとしています。
環境問題
チョコレートのアンフェアな貿易が抱えている問題は、農家さんの低賃金と児童労働だけではありません。
実は環境の問題もあるんです。
世界にはチョコレートを食べたいと言う人がたくさんいます。
みんながチョコレートを食べたい気持ちを叶えるために、たくさんのカカオ豆を作らないといけません。
効率よく同じ作物をたくさん作ることを、プランテーション(大規模農園)と言います。
プランテーションはたくさんの農薬や化学肥料を使います。
「同じ作物を作り続ける」と「たくさんの農薬や化学肥料を使い続ける」を行うと、だんだんと作物が育たなくなるという問題があります。
去年は作れたカカオ豆が、次の年にはカカオ豆が育たないことがあるんです。
カカオ豆が育たなくなったらどうするのか?
森林を伐採して、新しくカカオ豆を作れる畑を増やします。
同じ方法で作るので、またカカオ豆が育たなくなります。
また森林を伐採して、新しくカカオの畑を増やします。
これを繰り返すことで、ガーナは森林が半分以上なくなりました。
コートジボワールはもともとの森林面積の90%以上がなくなったと報告されています。
森がなくなることで、そこに暮らしていた野生動物たちも減っています。
フェアトレードの活動は、森林破壊しないように生産することを応援しています。
このまま行くとカカオ豆は2050年には絶滅すると言われています。作物はだんだんと育たなくなり、カカオ豆のために多くの熱帯雨林がなくなりました。それを回避するために遺伝子組み換えのカカオ豆の利用が増え始めています。遺伝子組み換えは危険性はないと言われていますが、皆さんはどう考えますか?
https://www.businessinsider.jp/post-184986
チョコレートだけじゃない
ここまでチョコレートの話をしてきましたが、アンフェアな貿易をしているのはチョコレートだけではありません。
コーヒーやお茶、バナナ、服、サッカーボールなど、色々なものが安く買われています。
今では値上げで見なくなりましたが、100円コーヒーなんてありましたよね。
なんで100円でコーヒーを売ることができるのか?
それはコーヒー豆を安く買っているからです。
フェアトレードで問題を解決しようとしているものは、こんなものがあります。
コーヒー
紅茶
砂糖
バナナ
ハチミツ
コットン、服
花、観葉植物
スポーツボール
どんな国で生産されているのか?
フェアトレードの取り組みが行われている製品は、どんな国で生産されているのでしょうか?
主に「開発途上国」と言われている国々です。
開発途上国は経済や生産技術、教育などがこれから良くなっていく途中の国のことを指します。
その多くは地球の南半球に位置する、気候の温かい地域にあります。
農業や手工芸品などを作って生計を立てている人がたくさんいます。
しかし安い地域で働かさせられていたり、悪い環境で働いていることが多いです。
- カカオ‥コートジボワール、ガーナ、エクアドル、ペルー、ドミニカ共和国
- コーヒー‥エチオピア、コロンビア、ブラジル、グアテマラ、ホンジュラス
- 紅茶‥インド(アッサム、ダージリンなど)、スリランカ、ケニア、ベトナム
- 砂糖(サトウキビ)‥フィリピン、モーリシャス、ブラジル、ボリビア
- バナナ‥エクアドル、コロンビア、ドミニカ共和国、ペルー
- ハチミツ‥メキシコ、チリ、エチオピア、タンザニア
- コットン‥インド、パキスタン、西アフリカ諸国
- ゴールド(金)‥ペルー、コロンビア、ガーナ
- 花や観葉植物‥ケニア、エクアドル、エチオピア
- 手工芸品‥ネパール、バングラデシュ、インド
多くの開発途上国は、かつて植民地支配を受けていました。植民地支配国が需要の高いカカオやコーヒー、綿花などの作物を大規模で生産させていました。現地の労働者に対して、低金銀または無償労働を強制する仕組みが広がっています。生産物は植民地支配国に輸出されて、買う側が得をするような構造が確立された背景があります。その不平等な仕組みが現在も継続しています。
フェアトレードでできること
アンフェアな貿易は、生産者さんの生活の困窮や環境破壊などのさまざまな問題を抱えています。
フェアトレードを行うことで、どんなことができるのでしょうか?
フェアトレードが目指しているものは・・
- 適正価格
- 児童労働・強制労働の禁止
- 安全な労働環境
- ジェンダー(男女)平等
- 環境保護
- 持続可能な地域社会の発展
これらは国際フェアトレードラベル機構(FLO:Fairtrade International)が定めるフェアトレードの基本理念です。
適正価格
フェアトレードは生産者さんに十分な生活ができるように、適正な価格での売買を行います。
生産者さんの生活水準が向上することで、食事、睡眠、教育、医療を受けるなどの生活に必要なものを得られるようになります。
市場価格によって生産品の価格は左右します。仮に市場価格が暴落しても、生産者が損失を被らないように価格を保証するフェアトレード最低価格というのがあります。
児童労働・強制労働の禁止
適正価格により生活水準が向上することで、児童労働をさせずに大人の労働者を雇えるようになります。子どもは学校に行くことができ、平等に教育が受けれます。
働きたくない人に無理やり労働を強制する仕組みを無くします。
労働者として人身売買が行われている問題もあります。高い給料を支払うと嘘をつき、無償で強制労働をさせられている人もいます。実際に裁判にもなった事例があります。
安全な労働環境
生産している製品によっては、働く環境が命の危険を伴う場所もあります。例えば、金やダイヤモンドの発掘などは、鉱山を発掘している時に山が崩れてそのまま生き埋めになってしまう場合があります。発掘にも児童労働が行われています。
ファトレードでは生産者さんや児童の健康や安全が守られるように配慮します。
ジェンダー(男女)平等
女性が働きやすく、意思決定にも参加しやすい環境づくりに支援します。
環境保護
農薬や化学肥料の使用を最低限に抑え、微生物などの生物の多様性を保護します。植林事業を支援したり、森林の伐採が進まないように環境に配慮した生産方法に取り組みます。
持続可能な地域社会の発展
フェアトレードには、フェアトレードプレミアムという仕組みがあります。これは販売するフェアトレード商品の販売価格に、少し金額を上乗せるすることです。
フェアトレード製品は材料費を適正価格で買っている分、値段が高めになっています。さらにフェアトレードプレミアム分の金額をプラスして、販売価格が高くしているということです。
このフェアトレードプレミアム分は、メーカーではなく生産者さんやその地域に役立つように使われます。
フェアトレードプレミアムは、フェアトレードの認証を得ているメーカーのみが使用できる条件があります。
フェアトレード商品を買ってみよう!
ここまで読んで、もしフェアトレードに興味を持ってもらえたら、実際にフェアトレード商品を買ってみましょう!
どれがフェアトレード商品なのかがわかる印があります。
このマークを見つけたら、その商品はフェアな貿易を行っているフェアトレードの商品です!
他の商品と比べると少し高く感じるかも知れませんが、この商品を買うことが生産者さんやその地域の人たちの役に立つのであれば気持ちが良いですね!
まとめ
フェアトレードについて、少しでもご理解いただけましたでしょうか。商品の背景を知らずに、その商品の価格だけを見てしまうとただ高いと感じるかも知れません。わたしたちが普段、何気なく買っているものや使っているものには、必ず作ってくれている人がいます。それがどのような状況で作られているのか?それを知ることで、いろいろなものの見方が変わりますね。
フェアトレードについて、なるべくわかりやすい言葉を使って解説をしました。なので、厳密に言うと少しニュアンスが違う部分もあるかも知れません。考えたり、調べたりするきっかけになれば嬉しいです。
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