「し」塩は体に悪いの?塩の違いや選び方、おすすめの塩

こんにちは!自然食品さしすせそです。

今日は塩のお話をしていきます!

塩を摂った方がいいの?
塩は血圧が上がるんじゃないの?
塩が大事って聴くけど、どう選べばいいの?

そんなお悩みを解決します!

自然食品店やオーガニックスーパーで扱う塩は、一般的な塩とは違います。

この記事でわかること
  • 自然食品の塩と一般的な塩の違い
  • 塩は体に悪いのか
  • 塩の製造方法
  • 塩の選び方
せそ

塩は料理に最も欠かせない調味料です。醤油や味噌の中にも塩は使われています。しっかりと塩の知識を身に付けていきましょう!

目次

塩は体に悪いのか?

塩の摂り過ぎは高血圧の原因。減塩が健康に良い。聴いたことがありますよね?

本当にそうなのでしょうか。

塩が高血圧の原因と言われるようになったきっかけをご存じですか?

塩が高血圧の原因と言われるようになったきっかけのお話をしていきます。

原因①高血圧学者メーネリーのねずみを使った実験

塩が高血圧と言われる原因を作ったとされるのが、高血圧学者メーネリーのねずみを使った実験です。

メーネリーは10匹のねずみに6ヶ月間、毎日、通常の20倍にあたる20~30gの塩を食べさせるという実験を行いました。

さらに飲み水にも1%の塩を加えて飲ませるという過酷な実験です。

人間で換算すると毎日200gの塩を40年間、毎日食べ続けたのと同じ計算になります。

実験の結果、10匹のうち4匹が高血圧になりました。

この実験の結果、「塩が高血圧の原因だ!」と言われるようになったんです。

これを聴いてどう感じますか?

非現実的な量を摂取した結果の話です。さらに言うと6匹はそれだけの塩を食べさせられ続けても、血圧に変化はなかったということ。

これが「塩=高血圧」と言われるようになった最初のきっかけです。

原因②高血圧学者ダールの日本での調査

日本に高血圧症の方が多いことに注目したダール博士は、東北地方と九州地方の食塩の摂取量の調査を行います。

東北地方では1日に27~28gの塩を摂っていて、高血圧の発症率が40%に上ることがわかりました。

逆に九州地方では1日14gで発症率が20%でした。

このことからまた「塩=高血圧」の原因と言われるようになりました。

しかしこの調査には疑問点があります。東北のような寒い地域では体温を上げるために、体が自然と血圧を上げて寒さに打ち勝とうとする働きがあります。

さらにダールの調査では同じように塩を多く接種していても、高血圧の人が多い地域と少ない地域がありました。でもそれに関しては特に言及はされていません。

せそ

信じられないかも知れませんが、「塩=高血圧」の原因と言われるようになったのはこの2つの実験と調査からなんです。

【注意】食塩感受性高血圧

塩が高血圧の原因というのは懐疑的ではありますが、人によっては塩が原因で高血圧になる方がおられます。

「食塩感受性高血圧」というのがあります。

これは遺伝子で塩に反応しやすいタイプの方(食塩感受性高血圧)とそうではないタイプ(食塩非感受性高血圧)の方に分かれます。

食塩感受性高血圧のタイプの方にとっては、塩が高血圧の原因になります。

血圧を下げることだけに注目するのは注意が必要です。血圧が上がるということは必ず何か原因があります。例えば血液がドロドロの状態で血の流れが悪かったとします。その場合、体はなんとかして血液を流そうとして圧力をかけます。当然、血圧は上がります。その時に血圧だけを下げてしまったらどうなるのか?血液の流れが滞ってしまいます。

塩のはたらき

体に悪いと思われがちな塩ですが、塩自体にはどんなはたらきがあるのか?

塩の主成分は「塩化ナトリウム」です。

塩は体内で「ナトリウムイオン」と「塩素イオン」に分かれて、それぞれ違った役割を担います。

ナトリウムは細胞の内と外の体液の浸透圧を維持、血圧の調節、バランスを一定に保つ働きをしてくれます。

塩素は胃酸をつくる成分で、食べ物の消化・殺菌の役割があります。

また塩は水分の量を調節して、筋肉の収縮を助けるなど、人間が生きていく上で欠かせない働きをしてくれます。

実は塩は「元気の源」と言える重要なものです。

雑学

古代ローマでは塩が給料の代わりになっていました。サラリーマンのサラリー(Salary)は塩のラテン語Salariumが語源になったと言われています。

塩が欠乏するとどうなるのか?

もし塩が足りなくなるとどうなるのでしょうか?

塩が欠乏すると次のような症状が起こります。

  • 疲労感・無気力
  • 頭痛・めまい
  • 筋肉の痙攣・弱体
  • 吐き気・嘔吐
  • 意識障害
  • 低血圧

体内のナトリウム濃度が正常値を下回ると「低ナトリウム血症」と呼ばれる状態になります。

簡単に言うと、塩が足りないと元気が出なくなります!

塩に関する誤解①塩化ナトリウムは悪者

塩化ナトリウムを悪者と思われている方は多いのではないでしょうか。塩のはたらきでお話した通り、塩は血液などの体液を正常に循環させる大事な役割を担っています。健康にとって欠かせない重要な成分なんです。

自然食品の塩と一般的な塩の違い

スーパーなどで売られている塩の大半は、”精製塩“と呼ばれる塩です。

精製塩は海水の成分から「塩化ナトリウム」だけを取り出した塩のこと

一般的に『塩化ナトリウム』のことを塩(食塩)とされています。

しかし海水の中には塩化ナトリウム以外にも、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルも含まれています。

自然食品店でおすすめしている塩は、塩化ナトリウム以外のカルシウムなどのミネラルが含まれた塩なんです。

自然食品店の塩

塩化ナトリウムだけでなく、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラルが多数含まれる塩

一般的な塩

海水から塩化ナトリウムだけを取り出した塩

自然食品店と一般的な塩の違いを簡単に説明すると、塩化ナトリウムだけなのかそれ以外の成分も含まれるのかの違いが大きいです。

さらに塩の種類や製造方法によって、塩の成分が異なって来ます。

塩の種類

塩はどんな塩があるのか?塩の種類について解説していきます。

塩はどこから採るのか、また製造方法によって分けられます。それぞれ順番に解説しますね。

塩の主な種類

塩は大きく3種類に分かれます。

海塩

岩塩

湖塩

海塩は海水を蒸発させて結晶化させて作る塩です。

岩塩は地殻変動で陸地に閉じ込められた海水が、長い年月をかけて蒸発・結晶化した塩。

湖塩も地殻変動により陸地に海水が閉じ込められ、塩分を含んだ湖になった塩湖の水を結晶化させた塩。

塩の製造方法による種類分け

先ほど、塩は海塩、岩塩、湖塩の3種類に分かれると解説しました。さらに製造方法によって種類は細分化されます。

海塩は製造方法によって、このように分けられます。

  • 精製塩:イオン膜交換、立釜法
  • 天日塩:完全天日法
  • 天日+釜焚きの塩:天日・平釜法
  • 釜焚きの塩:平釜法
  • 再製加工塩:溶解、立釜法
  • その他の塩:逆浸透膜・噴霧乾燥など

岩塩は製造は採掘法と溶解法の2種類のあります。ただ製造方法でわけるようりも透明やピンク、黒など色で分けられることが多いですね。

ここでは色の違いも含めて、「岩塩」と一括りにさせてください。

湖塩は主に2種類に分かれます。

  • 天日湖塩:塩湖の水を天日結晶
  • 釜焚き湖塩:塩湖の水を釜焚き結晶

こんな感じで塩の種類は分けられます。

塩の製造方法

塩の製造方法は、塩の種類によって製造方法が異なります。

海水、岩塩、湖塩の順番にそれぞれ簡単に説明していきますね。

せそ

これから塩の製造方法について解説していきますが、「良い」「悪い」で分ける見方をしないように注意してほしいです。どのように製造されているのか?そこに注目してもらいたいです。

海塩の製造方法

最も製造方法の種類が多いのが海塩ですが、根本的な工程は同じです。

①海水の引き上げ ⇒ ②ろ過 ⇒ ③濃縮 ⇒ ④結晶化

※ちなみにここで紹介するのは、日本独自の海塩の製造方法です。

ろ過、濃縮、結晶化のところで製造方法に違いが出て来ます。

精製塩の製造方法

精製塩は海水の中から塩化ナトリウムのみを取り出した塩です。

引き上げた海水をイオン交換膜で電気分解して、塩化ナトリウムとそれ以外に分離させます。

その後に立釜で加熱して水分を蒸発、結晶化させます。

立釜は高温で効率よく蒸発させれるのが特徴です。

出来上がった結晶が塩化ナトリウム99%以上と純度の高い塩になります。

精製塩では塩化ナトリウム以外のミネラルを不純物として、純度が高いものほど品質が良いとされています。

さらっとしていて塩辛い味わいが特徴

完全天日塩の製造方法

完全天日塩は、濃縮、結晶化ともに天日のみで行う製造方法です。

ただし日本の気候は天日塩の製造には向いておらず、ビニールハウスを活用して水分を蒸発させます。

①海水の引上げ

②ろ過

③天日で濃縮

④天日で結晶化

水分が蒸発していくとカルシウム⇒ナトリウム⇒カリウム⇒マグネシウムの順番に結晶化されていきます。

この時、塩職人がミネラルのバランスを調整していきます。

高温のビニールハウスの中で、結晶化していく海水を手で揉みながら混ぜていきます。

暑い時はビニールハウスの温度が70℃ほどになるそうです。そんな中、1時間に1回くらいのペースで混ぜます。

まさに手塩にかける、ですね。

最後に結晶化されるマグネシウムの量を調整して天日塩が完成します。

マグネシウムをそのまま含んで結晶化させると苦味のある塩になります。

この調整具合が職人の腕の見せ所で、味の違いに繋がっていきます!

取り除いたマグネシウムは「にがり」として、お豆腐の製造などに使用されます。

完全天日塩のデメリットを上げると、完成までに手間と時間を要するところです。大量生産には向きません。

せそ

天日塩は太陽の日差しだけで結晶化させたそのままの塩のイメージありませんか?実は人の手によって手間暇愛情かけて生産されているんですね。

からっとしていて粒の大きさはまばらで比較的大き目。精製塩と比べて甘みや旨みも感じるのが特徴。釜焚きの塩よりも塩分はしっかりとしている。

土佐の海の天日塩あまみ
400g

天日+平釜焚きの塩の製造方法

天日によって濃縮させた海水を平釜でじっくりと焚いて結晶化させる塩です。

①海水の引上げ

②ろ過

③天日で濃縮

④釜焚きで結晶化

これぞ日本の伝統的な海塩の製造方法です。別名、煎(せん)ごう塩とも言います。

天日で濃縮された海水を平釜で低温でじっくりと焚き上げます。

完全天日塩と同じくカルシウムから結晶化されていくので、ミネラルを均一化させるためにかき混ぜながら焚きます。

最後にマグネシウムの調整を行うのも同じです。

完成した塩は「粗塩(あらじお)」と呼ばれています。

完全天日塩と比べてしっとりとしていて、ほんのり甘みや旨みを感じるのが特徴です。湿気に弱く、塊ができやすい面もあります。

海の精・あらしお
500g 海の精

平釜焚きの塩の製造方法

天日干しで海水を濃縮させる工程がなく、最初から釜で濃縮、蒸発させ結晶化まで行う製造方法です。

①海水の引上げ

②ろ過

③釜焚きで濃縮

④釜焚きで結晶化

天日+平釜焚きの塩と同じく、釜でじっくりと焚き上げ混ぜながらミネラルを調整していきます。(にがりを適量取り除きます)

仕上がりは天日+平釜焚きの塩に似ていて、こちらも「粗塩(あらじお)」と言います。

天日+平釜焚きの塩よりも若干塩味があるのが特徴。ほんのり甘味や旨みもあります。湿気に弱く、塊ができやすい面もあります。

浜御塩
400g

再製加工塩の製造方法

再製加工塩は輸入天日塩を溶かして、にがりや日本の海水を混ぜて焚き直して結晶化させた塩です。

①溶解

②混合

③釜焚きで濃縮

④釜焚きで結晶化

再製加工塩に使われる輸入天日塩は、主にメキシコやオーストラリアで生産されたものです。

天日塩ですが塩化ナトリウムのみを取り出した精製塩に近い塩になっています。

そこににがりや海水を足すことで、塩化ナトリウム以外のミネラル分を補った塩です

1970年代に塩の専売制がスタートして、塩は国の事業となり精製塩しか作れなくなった時代があります。その時に伝統海塩に近づけたい想いで誕生したのが再製加工塩です。

食塩相当量は、完全天日塩に近く、釜焚きの塩よりも高め。

こちらも塩のタイプとしては「粗塩(あらじお)」です。

天日+平釜焚き、平釜焚きの塩よりも若干塩味があるのが特徴。ほんのり甘味や旨みもあります。

シママース〈沖縄の塩〉
1kg

赤穂の天塩〈粗塩〉
1kg

逆浸透膜+噴霧乾燥の塩

現代の技術を駆使して作られる塩で、代表的なのが「ぬちまーす」「雪塩」です。

①海水の引上げ

②ろ過

③逆浸透膜で濃縮

④噴霧乾燥で結晶化

逆浸透膜という細かいフィルターを使用して、海水を濃い塩水と真水(淡水)に分離させて濃縮させます。

その後、濃縮した海水を霧状に噴霧します。霧状にすることで蒸発させやすくなり、一瞬で結晶化させることができます。

ぬちまーすは温風に当てることで結晶化、雪塩は熱した金属板に当てることで結晶化させます。

食塩相当量が低く、ミネラルバランスを調整していないのが特徴で、海の成分そのままが塩になっています。

他の塩と比べると塩化ナトリウム以外のミネラルの種類と含有量が多いのが特徴です。

本来、マグネシウムは苦味の元になるのですが、この製法だと苦くならずに結晶化させることができます。

塩味が少なくまろやかなのが特徴。マグネシウム分が多いので湿気に弱く塊ができやすい。

塩に関する誤解②ぬちまーすと雪塩だけが極端にミネラルの種類が多い

他の塩の成分表を見た時に、ぬちまーすや雪塩と比べてミネラルの種類が少ないなと感じることがあります。実はミネラルの含有量を調べる際には、1種類ごとに検査費用が発生します。なので全てのミネラルを検査してはいないんです。成分表に書いていないから、そのミネラルが入っていないということではありません。ただしぬちまーすと雪塩に含まれるミネラルの種類と含有量が多いのは事実です。

岩塩の製造方法

地殻変動で陸地に閉じ込められた海水が、長い年月をかけて結晶化されたのが岩塩です。

岩塩の製品化されるまでの製造方法は、大きく2つです。

①採掘、洗浄、粉砕
②溶解、洗浄、再結晶

岩塩は結晶化されているので、そのまま使えば良いのでは?と考えるかも知れません。

しかし長い年月をかけて結晶化されていく中で、様々な不純物や土、鉱物なども一緒に含まれています。

岩塩の色が様々なのはそれが要因です。

なのでそれを除去(洗浄)する必要があります。

①の採掘は結晶化された元々の岩塩です。ちなみに①の工程のものは少ない。

②の方法は岩塩に水を注ぎ、濃い塩水にしてから不純物を取り除き再結晶化させます。大半が釜焚きで結晶化させますが、天日干しで結晶化させた岩塩もあります。

岩塩は含まれるミネラル分によって味が異なります。精製塩に近いものから硫黄の香りのするものなど様々です。色も透明、ピンク、黒などあります。

湖塩の製造方法

地殻変動や地形の関係で海水が陸地に閉じ込められ、湖になったのが塩湖です。その塩湖の水を結晶化させたのを湖塩と言います。

湖塩の製造方法は海塩の製造方法に似ています。

①塩湖水の引上げ

②ろ過

③濃縮

④結晶化

結晶化の工程は「天日結晶」と「釜焚き結晶」に分けれます。

天日湖塩と呼ばれてるのは、釜焚きではなく天日干しで結晶化されたものです。

またすでに自然に結晶化された湖塩を使用して製造する場合もあります。

①溶解

②ろ過

③釜焚き結晶化

その場合は結晶化された湖塩を溶かし、不純物を取り除いてから再度結晶化させます。こちらは岩塩の製造方法に似ていますね。

ちなみに湖塩は塩化ナトリウムの濃度が高いのが特徴です。

海水は混ざり合うことでミネラルバランスが均一になっています。しかし塩湖は海水が閉じ込められた中で水分が蒸発していくので、次第に塩分の濃度が濃くなっていきます。

塩化ナトリウム以外のミネラルも含有されていますが、食塩相当量は高いです。

湖塩は塩化ナトリウムの濃度が高く、98%くらいと精製塩に近い。

塩の選び方

いよいよここから塩の選び方について解説していきます!

塩の選び方は味や健康面など色んな考え方があり、何を基準にするかによって変わります。

今回は「健康面」を基準に選び方をお伝えしていきます。

自然な塩だから安心とかそんな根拠のない理由でおすすめはしません。

塩選びで大事なことはズバリ・・

“ミネラルバランス”

です!!

良い塩を判断するのにミネラルがあるないみたいな話が良く出てきますが、重要なのはバランスです。

そもそもミネラルとは何か?

ミネラルって言葉をよく使いますが、ミネラルって何か知ってますか?

人間を構成する元素の中で、多くを占めている主要4元素というものがあります。

水素、酸素、炭素、窒素の4つです。

ミネラルは主要4元素以外のすべての総称のことです。

代表的なミネラルはカルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム・・などです!

ちなみに主要4元素が体の96%を占めていて、ミネラルは4%しかありません。

しかしこのたった4%しかないミネラルですが、人間の健康維持や生命活動に欠かせない存在なんです。

人間にとって必要な必須ミネラルの中でミネラルは、さらに主要ミネラル(多量ミネラル)と微量ミネラルに分類されます。
主要ミネラル…カルシウム、リン、イオウ、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、塩素の7種類
微量ミネラル…鉄、ヨウ素、亜鉛、銅、セレン、マンガン、コバルト、モリブデン、クロムの9種類

鉄分もミネラルの1つで、不思議ですが人間を構成する元素の中に金属も含まれます。(亜鉛、銅、コバルト、モリブデン、クロムも金属です)

塩に関する誤解③精製塩にはミネラルがない

「精製塩にはミネラルがなく、自然塩にはミネラルがある」と言われる方がいます。しかしナトリウムもミネラルの1つです。ミネラルがあるかないかで言うと、塩はどんな塩でもミネラルの塊です。正しくは「精製塩には塩化ナトリウム以外のミネラルがない」です。

ミネラルバランスとは?

ではミネラルのバランスが良いとはどういうことなのか?

赤ちゃんがお母さんの体の中にいる時、羊水の中にいます。

この羊水と海水の成分、実はほぼ一緒なんです。構成する元素の種類と多い順も似ています。

そしてなんと人間を構成する元素も海水や羊水と似ているんです。

お風呂に入ると皮膚がふやけてシワシワになった経験がありませんか?

塩分やミネラルを含む人体が真水に入ると、両者の塩分とミネラル濃度を均等にしようとする働きが生じます。

体の塩分やミネラル分が真水の方へ抜けて、逆に真水が体に浸透して皮膚がふやけるんです。これは浸透圧の原理によるもの。

長い時間、羊水の中にいる胎児がシワシワにならないのは、羊水と胎児の塩分濃度がほとんど同じ…同じ浸透圧も持っているので皮膚やふやけることなくいられるんです。

なので海水は人間のミネラルバランスに近く、海水の成分に近い塩がミネラルバランスが良い塩と言えるのではないでしょうか。

精製塩を例にとると塩化ナトリウム以外のミネラル分を不純物として除去していますので、ミネラルバランスは良くないと言えます。

ミネラルバランスの良い塩の見分け方

先ほど、海水の成分に近い塩がミネラルバランスが良いとお伝えしました。

ではミネラルバランスの良い塩の見分け方をレクチャーしていきます。

塩は「海塩」「岩塩」「湖塩」の大きく3種類に分かれます。

この中で言うと、実は「岩塩」と「湖塩」はミネラルバランスが良くないです。

岩塩は「ほぼ塩化ナトリウムのみ」か「何か特定のミネラルが突出してる」塩に分かれます。

岩塩も元は同じ海水なのになぜか?

塩の製造方法の所でも触れましたが、海水は蒸発する際に「カルシウム⇒ナトリウム⇒カリウム⇒マグネシウム」の順番で結晶化されていきます。

なので岩塩は長い年月をかけて、カルシウムの層、ナトリウムの層、カリウムの層、マグネシウムの層と分離してしまっているんです。※マグネシウムは流れてく可能性もあり、層にはなりにくいです。

大半はナトリウムの層になります。食用の岩塩として重宝される透明で白っぽい岩塩は、ほぼ塩化ナトリウムのみの成分で構成されています。

また色の付いた岩塩は上に載った土や鉱物などが混ざって、別のミネラル分が多く含まれて変色しています。ちなみにピンクの岩塩は赤土と鉄分が多く含まれて色が変わっているんですね。

続いて、湖塩については塩分濃度が海水よりも濃いのが特徴です。海は常に混ざり合うことで塩分濃度が均一になりますが、塩湖は海水が閉じ込められ蒸発していくことで塩分濃度が高くなっています。

湖塩の食塩相当量を見ると98%とほぼ精製塩に近いのがわかります。

せそ

岩塩と湖塩がミネラルバランスが良くないから「悪い塩」「避けるべき」とはならないでほしいです。塩の楽しみ方は健康面だけではありません。いろんな味わいや風味も、食を楽しむ上で大事な事だと考えています。

塩の誤解③自然塩、天然塩

「自然塩(天然塩)を選びましょう」というのをよく聴きます。実は自然塩、天然塩というのは具体的な定義がありません。そして消費者に誤解を生まないようにするために、商品名に使用することを法律で禁止にされています。岩塩や湖塩を見てもわかるように、自然に近い塩でもほぼ塩化ナトリウムのみの塩もあります。自然塩(天然塩)という言葉に惑わされず、製造工程をしっかりと確認して選ぶことが必要です。

海塩の中でミネラルバランスの良い塩は?

それでは海塩の中からミネラルバランスの良い塩を見極めていきます。

海塩の種類は製造方法で分けると‥

  • 精製塩
  • 天日塩
  • 天日+平釜焚きの塩
  • 平釜焚きの塩
  • 噴霧乾燥の塩
  • 再製加工塩

※細かく分けるとまだ製造方法は細分化できますが、代表的なものでまとめています

結論から言いますと‥

  • 天日塩
  • 天日+平釜焚きの塩
  • 平釜焚きの塩
  • 噴霧乾燥の塩

が元の海水の成分に近く、ミネラルバランスの良い塩と言えます。

中でも海水の成分に最も近いのは噴霧乾燥した塩です。

それ以外の塩はにがり(マグネシウム)分を調整しているのに対して、噴霧乾燥の塩は海水そのままを結晶化させているのが特徴です。

ただし注意点もあります。噴霧乾燥の塩は塩分相当量が低いのも特徴で、塩味を感じにくいです。

そのため適量の塩だと味が薄く感じる、または味を出すために掛け過ぎてしまう可能性があります。

またマグネシウムは摂り過ぎると、下痢の原因にもなります。

人間の元素と海水を比べてもマグネシウムの量は、海水の方が多めになっています。

食事を楽しむ上で塩味(食塩相当量)は大事です。

それを踏まえた上で天日塩、天日+平釜焚きの塩、平釜焚きの塩の3種類は、塩味、ミネラルバランスともにおすすめできます。

細かい話になるとそれぞれの食塩相当量の違いや加熱・非加熱によるミネラル分の違いもあります。

この先は個人の趣味趣向で取捨選択してみてはいかがでしょうか。

それから再製加工塩は、輸入天日塩(ほぼ塩化ナトリウム)ににがりや海水成分を足したものになり、塩分濃度が少し高めになります。

しかし安価に購入できるメリットもあり、経済面を考えるとおすすめしたい塩です。

精製塩では摂れないミネラルも含有されていますので!

「輸入天日塩」は注意が必要です。前述でも述べた通り、輸入天日塩の中には「ほぼ塩化ナトリウムのみ」のものが多くあります。大規模生産の輸入天日塩は塩化ナトリウムの純度が高くなるように生産しています。塩の用途は食事のみではなく、工業用にも使用されています。そのため、意図して塩化ナトリウムのみの塩を生産しているんです。逆に輸入天日塩が全部塩化ナトリウムのみ、という訳でもありません。詳細な製造工程や食塩相当量をチェックするなど確認していきましょう。

【おすすめ】完全天日塩

完全天日塩、非加熱の塩です。

土佐の海の天日塩あまみ
400g

【おすすめ】天日+平釜焚きの塩

日本の伝統的な塩づくりはこちら!

海の精・あらしお
500g 海の精

【おすすめ】焼き塩

あらじおを高温で乾燥させた塩です。さらさらとしていて使いやすいのが特徴。フライドポテトなどに振りかけるのにあらじおではなくやきしおを使うのような使い分けが◎

海の精・やきしお〈ビン入〉
60g

海の精・やきしお
〈詰替用〉
60g

【コスパ】逆浸透膜+平釜焚きの塩

平釜焚きの塩でコスパ良いバツグンです!天日平釜焚きの塩を使いたいけど、もう少しお手頃価格でほしいって方にはピッタリ!

浜御塩
400g

【コスパ】再製加工塩

天日塩使いたいけど、出費も抑えたい‥て方はこちら!またメインは天日塩を使うけど、塩ゆでのお湯に入れるのはこちらを使うなどの使い分けもおすすめです!とにかく手軽に始めたい方はこちらから!

シママース〈沖縄の塩〉
1kg

赤穂の天塩〈粗塩〉
1kg

もう一つの大切な塩の選び方

塩の品質や成分も大事ですが、他にも大切なことがことがあります。

それは「誰がどんな想いで生産しているのか」です。

天日塩や平釜塩を製造するのは、とても手間暇がかかります。大量生産にも向いていません。

効率よく製造することもできる時代の中、昔ながらの伝統を守りながら生産されている方がいらっしゃいます。

ぜひどんな方がどんな想いでその塩を生産しているのか?ホームページなどを覗いて確認してみてほしいです。

天日塩や平釜塩は精製塩と比べると10倍以上の値段がします。

「いい塩は高いな~」と感じるかも知れませんが、この人たちを「応援したい!」という気持ちで購入してもらいたいです。

買う人がいなければ、生産は続けられません。

次の世代にも素晴らしい食文化を残していくために、応援購入をしていきましょう!

まとめ

今回は塩についてたっぷりと情報をお伝えしました。

自然食品店なので健康面を軸にお話しますが、食の楽しみ方というのは「体にいいかどうか」だけではありません。

味や見た目、香りを楽しむのも豊かさだと感じます。

また完璧を求めすぎる必要もないと考えています。天日塩しか使わない、それ以外は排除していく。ではなく、なるべくミネラルバランスの良い塩を摂ることを心掛けることが大切なのではないでしょうか。

塩選びの参考になれば嬉しいです。

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