「そ」その味噌、菌は生きてる?無添加の味噌の選び方

こんにちは!岡山の自然食品店さしすせそです。

今日は味噌の話をしていきます。

無添加の味噌を使いたい!
普通の味噌と何が違うの?
どうやって選んだらいいの?
見分け方が知りたい!

そんなお悩みを解決します!

自然食品店・オーガニックスーパーで扱う味噌は、一般的な味噌とはやはり違います。

また味噌は栄養価のとても高い調味料です!

安心・安全な原材料と製造方法の味噌を選んで、栄養を最大限摂れるようしたいですね。

この記事でわかること
  • 自然食品の無添加の味噌と一般的な味噌の違い
  • 味噌の見分け方
  • おすすめの味噌
せそ

味噌は日本人の健康を支える大事な発酵食品です!しっかりと味噌の基礎知識を身に付けていきましょう!

【無添加の味噌】自然食品店の味噌と一般的な味噌の違い!

自然食品店で売られている無添加の味噌と一般的なお味噌は何が違うのでしょうか?

簡単にまとめると次のような違いがあります。

自然食品店の味噌
  • 原材料がシンプル
  • 添加物が入っていない
  • 熟成期間が長い
  • 菌が生きてる
一般的な味噌
  • 原材料が複雑
  • 添加物が入っている
  • 熟成期間が短い
  • 菌が死滅している

スーパーに並んでいる味噌をみると、1パック300~500円くらいで買えます。

でも自然食品店で並んでいる味噌は、1パック900~1,200円くらいで販売されています。高いものだと2000円くらいするものもあります!

価格だけを見るとそんな高い味噌を買う必要があるのか?と感じるかも知れません。

でも安い味噌には理由があり、高い味噌にも理由があります。

ぜひ味噌の事を知ってみてほしいです!

味噌とは?何からできている?

味噌は大豆などの穀物を蒸したものに、米糀(米麹)などの麹と塩を加えて発酵・熟成させた調味料のことです。

味噌には種類が色々とあって、麹との組み合わせや割合での分け方、熟成期間の長さによる色違いでの分け方など様々です。

味噌の種類について解説していきます。

味噌の種類

味噌の種類は原料、味、色でそれぞれ分類されます。

原料の違い

基本的には大豆に米糀、麦麹、大豆麹のいずれかもしくは2種類以上合わせたもので分かれます。

  • 米味噌…米糀
  • 麦味噌…麦麹
  • 豆味噌…大豆麹
  • 調合味噌…米、麦、大豆、その他の穀物の麹を複数

味噌の種類による出荷数の割合は以下のようになってます。

参照:みその種類別出荷数量<全味工連集計>

2021年の味噌の出荷数の割合を見ると「米味噌」が大半を占めてます。

さらに味噌は色と味によっても分類されます。

色の違い

味噌は出来上がりの色によって分かれます。良く聴いたことがある赤味噌、白味噌のことです。

  • 白味噌
  • 淡色味噌
  • 赤味噌

原料の違い、大豆を煮る、蒸す、麹の割合、熟成期間、発酵の途中でかき混ぜるかなどの色合いが変わってきます。

主な色違いの要因は、発酵・熟成することで起こる「メイラード反応」による影響が大きいです。

味噌のアミノ酸と糖が反応して、褐色の色素に変化していきます。

熟成期間が長いほど色が濃くなります。簡単に言うと白味噌は熟成期間が短く、赤味噌は長いです。

  • 白味噌:1~2週間
  • 淡色味噌:4~8か月
  • 赤味噌:1~3年(5年以上のものもあります)

甘み・辛みでの違い

「甘い」「辛い」といった味の違いで味噌は分類されます。

味噌の味は大豆と麹の割合(麴歩合)と塩分濃度の違いで味が変わります。

麹の割合(麹歩合)が多いほど甘い味わいの味噌になります。

  • 甘味噌
  • 甘口味噌
  • 辛口味噌

基本的な味噌の割合は

大豆と麹が1:1の割合で、塩は全体の12~13%くらい

です。

乾燥丸大豆250g、米糀250g、塩120gで約1kgの味噌ができます。

1:1の割合…大豆と麹の割合が同量の味噌を10割麹味噌と言います。

大豆1:麹1.2の割合、12割麹味噌。

10割麹味噌と12割麹味噌を比べた場合、塩の量が同じであれば12割麹味噌の方が甘口の味噌ということです。

味噌の種類と割合のまとめ

味噌の種類麹割合
範囲(一般値)

範囲(一般値)
熟成期間
米味噌甘味噌15~30(20)5~7(5.5)5~20日
12~20(15)5~7(5.5)5~20日
甘口味噌淡色10~20(15)7~12(7.0)20~30日
12~18(14)10~12(11.5)3~6ヶ月
辛口味噌淡色6~10(7)11~13(12.0)2~3ヶ月
6~10(7)11~13(12.5)3~12ヶ月
麦味噌淡色15~25(20)9~11(10.5)1~3ヶ月
8~15(10)11~13(12.0)3~12ヶ月
豆味噌10010~12(11.0)5~20ヶ月

味噌の栄養素と効能

味噌には栄養がたっぷりと詰まっています!

たんぱく質、ビタミンE、ビタミンB、食物繊維、ミネラル、イソフラボン、レシチン、乳酸菌、麹菌、大豆サポニン、リノール酸、鉄分、メラノイジン‥など豊富です。

  • たんぱく質…人体の三大栄養素、不足すると免疫力、筋力の低下
  • ビタミンE…抗酸化力、細胞の老化対策
  • ビタミンB群…疲労回復
  • 食物繊維…腸の調子を良好にし便通をスムーズに。血糖値や血圧の上昇を抑制
  • レシチン…コレステロールの吸収を抑制、免疫低下・動脈硬化を予防、記憶、認知力アップ
  • イソフラボン…強い抗酸化力。シミ、シワ、老化予防
  • 大豆サポニン…肥満対策、血流改善、免疫威力の向上
  • リノール酸…コレステロールを調整
  • 鉄分…貧血を防ぐ
  • メラノイジン…褐色成分で抗酸化力、活性酸素を消去

など体にとって必要な栄養素や効能が豊富に含まれているんです!

「医者に金を払うよりも、みそ屋に払え」という江戸時代のことわざまであります。

ただしこれらの豊富な栄養や健康効果も、味噌本来の製法に基づいてしっかりと発酵・熟成されて発揮します。

味噌ならなんでもいい訳ではありません。

せそ

味噌の持つ栄養効果はすごいです!

安い味噌を避けたい理由

安い味噌はなぜ安いのか?また安い味噌を避けたい理由について解説していきます!

何も知らずに安い味噌を買っているとどんなリスクやデメリットがあるのか?

  • 原材料が遺伝子組み換え
  • 原材料に大量の農薬、除草剤
  • 食品添加物が多い
  • しっかりと発酵・熟成されていない
  • 菌が死滅している
  • 塩が精製塩

などが挙げられます。

原材料のリスク

味噌に欠かせない原材料に大豆があります。安い味噌はまず輸入物の大豆が使用されているといっても良いです。

なぜ輸入物の大豆を避けたいのか?それは…

  • 遺伝子組み換え大豆の可能性
  • 大量の農薬が散布されている
  • 収穫前に除草剤をかける(プレハーベスト)
  • 収穫後に除草剤をかける(ポストハーベスト)

遺伝子組み換えは研究によって人体に問題ないとされていますが、正直、不安な気持ちは拭い去れないです。

また農薬を使用し、収穫前後には除草剤(枯葉剤)も散布します。

なんで体に良くないかも知れない製造方法を続けるのかというと、効率よく大量生産を行うためです。

輸入物の原材料がすべて当てはまるという訳ではありません。

しかし安い味噌は安い原材料を使用することで成り立ちます。

なので安い味噌には、まず原材料にはこれらのリスクがあると考えて良いでしょう。

食品添加物のリスク

味噌にはどんな添加物が使用されているのか?

  • 調味料(アミノ酸等)
  • ビタミンB2
  • 漂白剤(次亜硫酸ナトリウム)
  • 酒精・アルコール
  • 保存料(ソルビン酸)

調味料(アミノ酸等)…人工的に作られた旨味成分。

ビタミンB2…味噌の着色目的に使用され、黄色と茶色が混ざった色合い。

漂白剤(次亜硫酸ナトリウム)…白く淡色に仕上げる目的。

酒精・アルコール…味噌の熟成を止めるために、菌のはたらきを抑制するのが目的。※菌が生きていると熟成が進み、味や色に変化が出るため

保存料(ソルビン酸)…味噌の保存が目的。

食品添加物は人体に安全性が認められている、ないしは人体に影響を及ぼさない量であれば使用できるというルールに基づいています。

なので過度に反応する必要はありませんが、知らずに摂り続けることには疑問を感じます。

また食品添加物ではありませんが、かつおエキス、昆布エキス、酵母エキスなどを使用している味噌も多いです。

これらは純粋に出汁成分を摂ったのではなく、化学的な抽出方法によって取り出したもの。

味噌の味や風味を出すために使用されるのですが、これらを摂取し続けることによって自然な素材本来の味がわからなくなるリスクがあります。

発酵・熟成について

安い味噌は発酵・熟成期間がとても短いです。

赤味噌でいうと早ければ1ヶ月、時間をかけても半年ほどで出荷されます。

これは「速譲法」と呼ばれる製法で、人為的に温めることで発酵・熟成を速めることが出来ます。

ヨーグルトメーカーで温度を調節して早く発酵させるのと同じイメージです。

速譲法により味噌の出荷までの期間を早めることが出来るようになり、効率よく大量生産することが可能になりました。

本来の味噌づくりは自然な温度にまかせて、ゆっくりと時間をかけて発酵・熟成させていきます。

長く時間をかける中で熟成された味わい、豊富な栄養素が生まれていきます。

なので安い味噌に伝統的な味噌と同じ栄養効果があると思ってはいけません。

菌が死滅している

味噌は麹菌といった微生物のはたらきにより、発酵・熟成していきます。

味噌には出荷後も菌が生きてる状態の味噌と、死滅している味噌に分かれます。

菌が生きている状態で出荷すると、容器の中でも発酵が進みます。

そのため味わいや風味、色合いも熟成と共に変化していきます。

それを止めるために加熱処理をしたり、酒精・アルコールを加えるなどして菌の活動を止めます。

菌が生きている味噌には麹菌、乳酸菌、酵母などの微生物が生きたまま残っていて、善玉菌の増加や免疫力の向上、消化促進などの効果が期待できます。

またアミラーゼやプロテアーゼといった酵素やビタミンB群も加熱処理で失われます。

菌が死滅するとそれらの効果が期待できなくなります。

ちなみに菌が生きてる味噌を使用しても、調理時に加熱することで同じように死滅していきます。※70℃以上で徐々に

塩について

味噌づくりに塩は必要不可欠なのですが、安い味噌で使用される塩も安価な塩になります。

塩には海水の中から塩化ナトリウム(NaCl)のみを抽出した精製塩と、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどの他のミネラルも含まれる自然に近い塩と分かれます。

詳細は…

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精製塩は塩味が強くただ塩辛い味わいで、それに対して自然に近い塩はほのかな甘みや苦味、旨みも感じられる味わいです。

精製塩で作られる味噌は塩角が立ちやすいのが特徴です。

自然に近い塩を使用した方が、まろやかで深みのある味わいになります。

一般的に安価な塩は精製塩で、安い味噌は精製塩で作られています。

味噌の製造方法

味噌がどうやって造られるのか?簡単に解説していきます!

  1. 大豆を洗う
  2. 大豆を水に浸す
  3. 大豆を煮る(もしくは蒸す)
  4. 大豆をつぶす
  5. 麹と塩を混ぜ合わせる(塩切り麹)
  6. 大豆と塩切り麹、水を入れて混ぜ合わせる
  7. 味噌玉を作る
  8. 容器に味噌玉を入れて詰める
  9. 塩で蓋をする
  10. 布やラップをかけて重石を乗せる
  11. 熟成させる

伝統的な手作り味噌は熟成を自然の温度にまかせてゆっくりと時間をかけるのに対いて、工業的な味磯は発酵タンクで温度調整しながら早く発酵させていきます。

入れる容器も伝統的な味噌は木桶に入れて、工業的な味噌はタンクに入れます。

そういった設備や工程の違いでも、味や風味に違いが出て来ます。

市販の味噌しか使ったことないって方は、ぜひ本物の味噌の風味を味わってもらいたいですね。

味噌の選び方・見分け方

味噌の選び方と見分け方について解説します!

味噌の栄養や健康効果を十分に得られる伝統的な味噌を選んでいきます!

味噌の見分け方のポイントは・・

  • 原材料がシンプルかどうか
  • 大豆は国産かどうか
  • 塩は自然に近いものを
  • 添加物が入っていないか?
  • 非加熱かどうか

主にこの4つで確認します。

原材料はシンプルか?

味噌の原材料は、大豆と麹(米、麦、大豆など)、食塩のみのものを選びます。

麹の種類に関しては、ご自身のお好みで選んでください。

ちなみに原材料は入ってる量が多い順に並んでいます。

麹が先に書いてある場合、大豆よりも麹の割合が多い味噌で甘めの味噌になります。

大豆は国産か?

輸入ものの大豆は遺伝子組み換えの可能性があります。

なので大豆は国産のものを選びましょう!

さらに原材料の産地も地元や自分の住んでるところから近いものが好ましいです。

もっとこだわるのであれば、農薬を使用していないオーガニックのものを選ぶとより良いですね。

塩は自然に近いものを

塩は精製塩ではなく、複数のミネラルが入った自然に近い塩のものを選びましょう!

ただしラベルを見るとどんな塩も「食塩」と記載されています。

味噌にどんな塩が使われているのかは、原材料や賞味期限が記載されている食品表示ラベルの外に書いていないか確認してみましょう。

ラベルではわからない場合、ホームページやSNSなどを開いて確認しましょう。

天日塩か天日+平釜焚きの塩がおすすめです。

また再製加工塩(伯方の塩、シママースなど)も複数のミネラルが含まれています。

添加物が入っていないか?

添加物は食品表示ラベルの原材料の欄で「/」以降に記載されているものです。

例えば、「米こうじ、大豆、食塩/アルコール」と書いてあれば、アルコールが添加物にあたります。

また添加物ではありませんが〇〇エキスと書かれているものも、自然な抽出ではなく化学的な旨み成分のものです。

味には好みがありますが、ぜひ素材の風味を活かした味噌を味わってもらいたいですね。

非加熱かどうか?

麹菌が生きている味噌は、加熱処理をしていない「非加熱」のものを選びます。

非加熱かどうかはラベルで確認をします。

また非加熱の味噌はパックの中で密封している蓋に小さな空気穴が開いています。

これは菌が呼吸するために空いています。

出荷された後も発酵が続いていますので、ガス(主にCO2)が発生します。

そのガスが抜けるための穴です。

逆に酸素が入り込むと変色や風味劣化を起こす可能性があるので、ガスは抜けて酸素が入らない仕組みになった「ガス抜きバルプ」が付いてます。

おすすめの味噌

【岡山発】名刀味噌本舗さんのお味噌

岡山産の大豆と米糀(合わせは米糀と麦麹)で作られた自慢の味噌です!

玄米麹味噌
800g
名刀味噌本舗

あま味噌
800g
名刀味噌本舗

合わせ味噌
800g
名刀味噌本舗

八丁味噌

八丁味噌は大豆と塩のみを原料に木桶で仕込んだ味噌です!

三河産大豆の八丁味噌
300g
まるや

有機・八丁味噌<袋入り>
400g
まるや

その他のおすすめの味噌

有機・赤出しカップ
500g
まるや

無添加長崎麦みそ
500g
チョーコー

長崎みそ
1kg
チョーコー

白みそ
250g
マルクラ

玄米味噌
1kg
海の精

麦味噌
1kg
海の精

国産有機・豆味噌
700g
海の精

無双信州味噌
450g
ムソー

有機米みそ
750g
かねこ

おまけ:味噌汁の作り方のポイント

最後におまけで味噌汁を美味しく作るポイントをお話します!

味噌汁の作り方

  • 鍋に出汁を具材を入れて煮る
  • 具材に火が通ったら、火を止めてから味噌を溶き入れる
  • ひと煮立ちさせて、沸騰する直前で火を止めて完成

味噌の麹菌や乳酸菌は50℃以上、酵母は70℃で徐々に死滅します。

なので味噌を入れてからは、ぐつぐつと沸騰させないのがポイントです。

味噌を入れてから火を入れない作り方もアリです。

熱々ではありませんが、味噌の風味をしっかりと感じれるお味噌汁を作ることができます。

味噌の酵素が生きている状態で食べたいですね!

沸騰してもすぐに全部の菌が死滅はしません。

酵母は60℃で10分、80℃以上では1分で死滅します。

味噌と出汁の割合は?

出汁10:味噌1の割合が黄金比だと言われています。

しかしこれはあくまで目安で、これを基準に自分の好みに合わせて濃度は調節してみてください。

まとめ

自然食品店の味噌と一般的な味噌の違いや選び方、見分け方について解説しました。

味噌は栄養が濃縮されて詰まっています。

その栄養効果が最大限活かせるように伝統的な製法で造られた味噌をおすすめします!

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