「無洗米って、なんとなく不安」
「洗わないお米は、おいしくなさそう」
そう感じている方は少なくありません。
この記事の答え
無洗米は、体に悪いお米ではありません。
ただし、研ぐ手間を省くのと
引き換えに、手放しているものがあります。
精米したての鮮度、
産地や育て方・精米の度合いを選ぶ自由、
そして価格です。
この記事では、まず無洗米の
イメージがよくない理由を整理し、
本当かどうかを公的なテストと研究で
確かめます。そのうえで、無洗米が
生まれた背景から、家庭のごはんには
過剰な加工になりやすい理由を
お伝えします。
当店では、岡山の契約農家が育てた
自然栽培の朝日米を扱っています。
玄米・分づき米・白米は同じ価格です。
くわしくは「朝日米の選び方と価格」へ。
ご注文は「朝日米の商品一覧」から。
無洗米のイメージがよくない5つの理由
名古屋市消費生活センターが、
消費生活調査員90人に、
無洗米を使わない理由を聞いています。
多かった答えは、次の3つでした。
| 無洗米を使わない理由 | 人数 |
|---|---|
| 普通米より高い | 34人 |
| 研がなくていいというが、 不衛生に感じる | 33人 |
| おいしそうでない | 19人 |
※出典:名古屋市消費生活センター
「無洗米」商品テスト(2001年)
自然な食べものを大切にしたい方からは、
さらに次の2つの気がかりも聞かれます。
- 工場で、余計な加工をしていそう
- 栄養まで、抜けていそう
ここからは、この5つが本当かどうかを、
一つずつ確かめていきます。
無洗米とは
無洗米は、白米の表面に残っている
「肌ぬか」を、精米工場であらかじめ
取り除いたお米です。
研がずに、水を加えるだけで炊けます。
ふつうの白米は、精米したあとも
表面に肌ぬかが少し残っています。
これを家庭で研いで落としているのです。
無洗米は、この「研ぐ」ところまで、
工場で先に済ませたお米と考えると
わかりやすいと思います。
肌ぬかの取り方には、
主に3つの方式があります。
| 方式 | 肌ぬかの取り方 |
|---|---|
| ヌカ式 | 肌ぬかの粘り気を利用して、 ぬかでぬかを取る |
| タピオカ式 | タピオカでん粉に 肌ぬかを付けて取る |
| 水洗い式 | 水で洗い流して、 すぐに乾かす |
※出典:農林水産省 消費者の部屋
「無洗米とはどのようなものですか。」
ほかに、ブラシで表面を削る方式も
ありますが、肌ぬかを取りきりにくく、
今はあまり使われていません
(農林水産省)。
無洗米が生まれた背景
無洗米の研究は戦前からありましたが、
広まったのは1990年代です。
1991年、和歌山の精米機メーカーが、
研がずに炊ける無洗米を開発しました。
きっかけは、研ぎ汁でした。
下水処理が十分でなかった時代、
リンや窒素を含む研ぎ汁が
生活排水として川や海に流れ、
赤潮の一因になっていたのです。
無洗米は、まず業務用で広がりました。
大量にお米を炊く現場では、
研ぐための水と人手が減り、
下水道代や人件費を抑えられたためです。
家庭に広がったのは、
1997年ごろから首都圏の生協が
取り組み始めてからです。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 戦前 | 研究が始まる (洗米で栄養が流れるのを避けるため) |
| 1975年 | 大型精米工場向けの機械が登場 |
| 1991年 | 研がずに炊ける無洗米が開発される |
| 1990年代 | 業務用で広がる (下水道代・人件費の削減) |
| 1997年ごろ | 首都圏の生協が取り組み、 家庭にも広がる |
※出典:農林水産省「無洗米~精米の加工技術~」、
和歌山県広報誌「nagomi」
つまり無洗米は、家庭のごはんを
おいしくするためというより、
大量に炊く現場の手間と、
研ぎ汁による水の汚れを減らすために
生まれたお米です。
無洗米のイメージは本当?一つずつ確かめる
①「洗わないのは不衛生」→ 問題はない
名古屋市のテストでは、無洗米8銘柄を
同じ精米所の白米と比べています。
異物は見つかりませんでした。
微生物(一般細菌)の数は、
無洗米のほうが多めに出ていましたが、
テストは「多くはなく、洗わなくても
問題はない」とまとめています。
そのうえで、衛生面の公的な基準が
設けられることが望ましい、とも
書いています。
判定:洗わずに炊いても、
衛生面の問題はありません。
②「おいしそうでない」→ 作りたては同じ
北海道大学の研究では、
研がずに炊いた無洗米の味は、
研いで炊いた白米と同じでした
(2005年)。
名古屋市のテストでも、
食べ比べの評価にほとんど差は
ありませんでした。
ただし同じ研究で、25℃で4か月置いた
無洗米は、さっとすすいで炊いたほうが
おいしいという結果も出ています。
研がずに炊ける無洗米も、
時間がたつと、そのままでは
味が落ちやすいということです。
「無洗米はパサつく」「硬い」
という声は、多くは水加減が原因だと、
炊飯器メーカーは説明しています
(パナソニック)。
水加減は、次の章でお伝えします。
判定:作りたての味は同じです。
ただし古くなると、すすがないと
味が落ちやすくなります。
③「高い」→ 高いのは本当
肌ぬかを取る工程が増えるため、
白米より高くなる傾向があります。
名古屋市のテストでは、
同じ精米所・同じ銘柄で比べて、
1kgあたり平均約35円高い結果でした。
研ぎ汁の水道代が浮く分は、
年間でわずかだとされています。
一方で、肌ぬかのぶん目減りしないので、
買った量のほぼすべてを食べられる、
という見方もあります。
判定:高いのは本当です。
研ぐ手間を、お金で
工場に任せていることになります。
④「工場で余計な加工」→ 加工は一工程増える
無洗米は、精米した白米の表面を、
工場でもう一度処理したお米です。
そのぶん、お米には負担がかかります。
名古屋市のテストでは、
砕けた粒の割合が、白米の0.91%に対し、
無洗米は1.27%と、やや多めでした。
100粒の重さも2〜3%軽く、
表面がわずかに削られていました。
仕上がりは、工場や方式でも差が出ます。
業界団体の全国無洗米協会は、
研がずに炊いても水がほとんど濁らないこと、
食べ比べて元のお米と同じ以上の
おいしさであることを、
認証の基準にしています。
裏を返すと、それだけ仕上がりに
差が出やすい加工だということです。
判定:本当です。何かを足す加工では
ありませんが、お米に手を加える工程が
一つ増え、砕けた粒も増えます。
⑤「栄養が抜けていそう」→ 差はわずか
無洗米は研がないので、
水に溶けやすいビタミンB1などが、
研いだ白米より少し多く残ります。
メーカーの分析では、100gあたりの
ビタミンB1が、無洗米0.05mg、
研いだ白米0.03mgでした
(東洋ライス資料、2001年)。
ただ、その差はごくわずかです。
お米の栄養を大きく分けるのは、
無洗米かどうかより、精米の度合いです。
| 精米の度合い (100gあたり) | ビタミンB1 | 食物繊維 |
|---|---|---|
| 精白米 | 0.08mg | 0.5g |
| 七分つき米 | 0.24mg | 0.9g |
| 半つき米 | 0.30mg | 1.4g |
| 玄米 | 0.41mg | 3.0g |
※出典:農林水産省
(日本食品標準成分表(八訂)より)
※メーカーの分析値とは、測った条件が
違います。精米の度合いによる差の
大きさの目安としてご覧ください。
判定:無洗米で栄養が抜けることは
ありません。ただし無洗米は白米です。
栄養を気にするなら、無洗米かどうかより
精米の度合いのほうが、差は大きくなります。
それでも気をつけたい、無洗米のデメリット
水加減を間違えると、硬く炊ける
無洗米は肌ぬかがないぶん粒が詰まり、
同じ計量カップで量っても、
白米より重さが約3%多くなります。
同じ水の量では、硬く炊き上がります。
水を5%ほど増やすか、
無洗米用の計量カップを使います。
炊飯器に無洗米の目盛りがあれば、
それに合わせるのが確実です
(日立)。
長持ちするかは、結果が分かれている
「ぬかが少ないから長持ちする」
と言われることがあります。
北海道大学の研究では、
保存中の傷み具合の目安になる値の
上がり方が、白米の半分ほどでした。
一方で、国民生活センターのテストでは、
白米より鮮度の落ちるのが早い、
という結果も出ています。
調べ方によって結果が分かれているので、
「無洗米だから長持ち」とは考えず、
白米と同じように早めに食べきるのが
安心です。お米の味は、
精米した日から少しずつ変わります。
選べる銘柄が限られる
無洗米で売られているのは、
コシヒカリやあきたこまちなど、
流通量の多い銘柄が中心です。
好きな産地や育て方のお米が、
無洗米では見つからないこともあります。
無洗米と白米の違い
| 無洗米 | 白米 | |
|---|---|---|
| 研ぐ手間 | いらない | 2〜3回すすぐ(数分) |
| 精米したて | 選べない (工場で精米・加工してから流通) | 店で精米したてを選べる |
| 精米の度合い | 白米が中心 | 分づき米・玄米も選べる |
| 衛生 | 問題なし | 問題なし |
| 味 | 作りたては同じ。 古くなるとすすがないと 落ちやすい | ― |
| 価格 | やや高い傾向 | 無洗米より安い傾向 |
| 製造工程 | 工場で表面を もう一度処理する | 精米まで |
| 砕けた粒 | やや多い(1.27%) | 0.91% |
| 栄養 | 研いだ白米との差はわずか | 研ぐと少し流れる |
| 水加減 | 少し多め(約5%) | 炊飯器の白米の目盛り |
| 保存 | 結果が分かれる。 早めに食べきる | 精米した日から変わる |
| 選べる銘柄 | 流通量の多い銘柄が中心 | 多い |
※砕けた粒の割合は、名古屋市消費生活
センターのテスト(2001年)の平均値です。
家庭のごはんには、過剰な加工
無洗米が解決しようとしたのは、
大量に炊く現場の手間と、
下水処理が追いつかなかった時代の
研ぎ汁の問題でした。
今、生活排水を処理できる人の割合は
94.0%まで進んでいます
(令和7年度末、農林水産省ほか)。
一方、家庭で精米したての白米を
研ぐのは、2〜3回すすぐ数分です。
その数分を省くために、工場で
もう一工程を加え、割高なお米を買う。
当店は、家庭の毎日のごはんには
過剰な加工だと考えています。
ただし、ふつうの白米を
まったく研がずに炊くと、
香りや食感が落ちます
(北海道大学)。
省けるのは「研ぐ手間」ではなく、
「念入りに研ぐ手間」です。
給食や飲食店のように大量に炊く現場や、
水が限られる非常時には、
無洗米は今も理にかなっています。
無洗米で手放しているもの
研ぐ手間を省くのと引き換えに、
家庭では次のものを手放しています。
- 精米したての鮮度:工場で精米と
加工をしてから店に並ぶので、
精米した日から時間がたっています。 - 選ぶ自由:無洗米は白米が中心で、
銘柄も流通量の多いものが中心です。
産地や育て方、分づき米などの
精米の度合いでは、選びにくくなります。 - お米への手の加わり方:精米のあとに
もう一工程、工場での処理が入ります。 - 価格:研ぐ手間のぶん、割高です。
研ぐ手間は、毎日数分のことです。
その数分で、選べるお米の幅は
大きく広がります。
研ぐ手間を減らす、もう一つの選び方
研ぐのが面倒で、無洗米を考えている方に
知っておいていただきたいことがあります。
精米したての白米なら、研ぐのは
ほんの少しで済む、ということです。
今の白米は、精米の技術が上がり、
昔よりきれいな状態で精米されています。
2、3回水を替えて、さっとすすぐだけで
十分です。透明になるまで研ぐ
必要はありません。
炊き方のコツはご飯の炊き方と食べ方
にまとめています。
分づき米と玄米も、
強く研ぐ必要はありません。
- 分づき米:ぬかが少し残っているので、
ゴシゴシ研がず、やさしく
2〜3回すすぐ程度にします。 - 玄米:流水でさっと洗い、
玄米どうしを軽くこすり合わせて
表面を洗い流します(パナソニック)。
当店の朝日米は、玄米で保管しておき、
ご注文を受けてから店舗で精米します。
白米・5分づき・7分づき・玄米を、
どれも同じ価格でお選びいただけます。
「研ぐ手間」より「精米した日」と
「精米の度合い」で選ぶと、
毎日のごはんが変わります。
精米の度合いによる違いは、
精米度合いの物差しでまとめています。
自然食品 さしすせその見解
当店がお客様にお伝えしたいのは、
毎日食べるお米は、「研ぐかどうか」より、
どんな田んぼで、どう育てられ、
いつ精米されたかで選んでほしい
ということです。
手をかけるなら、工場の加工より、
田んぼと精米の鮮度にかけたいと
当店は考えています。
当店は無洗米を扱っていません。
農薬も肥料も使わずに育てた
自然栽培の朝日米を、ご注文ごとに
精米してお届けしています。
さっとすすいで炊くだけで、
あっさりとして、上品な甘さのある
ごはんになります。
当店の朝日米
玄米・分づき米・白米は、どれも同じ価格です。

朝日米 5kg
無農薬・自然栽培
玄米・分づき米・白米

朝日米 10kg
無農薬・自然栽培
玄米・分づき米・白米

朝日米 30kg
無農薬・自然栽培|玄米

